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映画 山田孝之3D



この映画の価値は20年、30年後に訪れる。だってもし、そのフィルモグラフィーに「仲代達矢3D」「若尾文子3D」とかあったら観たいと思うだろ?
監督:松江哲明監督:山下敦弘/TOHOシネマズ新宿/★2(40点)本家公式サイト
例えば仲代達矢の長いキャリアの中で、そのフィルモグラフィーを眺めていたら、若い頃の作品に「仲代達矢3D」とかあったら、「何それ?観たい!」と思うでしょ?思わない?例えば「若尾文子3D」とか「京マチ子3D」とか。俺なんか、超絶観たいけどね。

この映画も、20年後、30年後にそういう評価をされると思うんです。そのためには山田孝之が爺さんになるまで第一線で活躍してないといけませんがね。プレステばっかりやってないで真面目に働け。
もっとも、20年後、30年後にこの映画を観たところで、面白いかどうかは保証の限りではないけどね。

で、まあ、この映画、テレ東深夜枠ドラマ「山田孝之のカンヌ映画祭」の延長線上で(それだって「北区赤羽」の延長線上なんだけど)、『超能力研究部の3人』でも見せた山下敦弘のフェイクドキュメンタリー要素と傑作『フラッシュバックメモリーズ 3D』で見せた松江哲明の3D趣味(?)の融合なんですね。
もちろん松江哲明はドキュメンタリー中心の作家であり、フェイクドキュメンタリーは「その「おこだわり」、私にもくれよ!!」でもやってるんですけどね。俺、あのドラマで松岡茉優と伊藤沙莉のファンになったんだよね、どうでもいい話だけど。

「山田孝之のカンヌ」の時の山田孝之は、ずーっと「頭のおかしい(?)男」を演じてるんですね。フェイクドキュメンタリーの“フェイク”側に位置している。殺人鬼役に芦田愛菜を指名したり、その母親役に起用した長澤まさみにヌードを強要して断られたら役を降ろしたり、フェイク以外の何ものでもない。
いやむしろ、「おこだわり」が「このドキュメンタリーはフィクションです」と銘打っていたのと同様、ドキュメンタリー風フィクションの面白さだったと思うんです。山田孝之に振り回される周囲の人々から垣間見える「素」。そこがドキュメンタリー的な面白さだったのです。河鹹照なんか凄みすら感じたもんね。

ところがこの映画は、山田孝之そのものに迫る。つまり彼がドキュメンタリー側に配置されているのです。
その結果、この映画は最初っから最後まで方向性が分からない。それは山田孝之の「素」なの?それとも「嘘」なの?そしてオチの付け方がさらに混乱を来す。
結局これは、何を面白がればいい映画だったんだ?

2017年6月16日公開(2017年 日)

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