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地獄(神代辰巳版)



この映画の感想を音に例えると「ズコッ」って感じ。これは「原田美枝子ってすげーな」って感じる映画だと思えばいい。
監督:神代辰巳/CSチャンネルNECO/★2(35点)本家
何でもやるなぁ、原田美枝子。この頃の原田美枝子って本当に凄かった、ということを再認識するわけですよ。いえ、今でも凄いんですけどね。
なんかもう、原田美枝子の力量だけで観ちゃった感じ。
もちろん岸田今日子との相乗効果もあると思いますし、私が田中陽造の「女情念物」脚本がわりと好きってのもあるんでしょうけどね。

いやまあ、映画自体はね、もう、何というか、怪作というか珍作というか。カーレーサーとか何の意味もないしね。
地獄の「見世物小屋」的な興味を引きたかった東映と、現実世界の愛憎劇を描きたかった神代辰巳や田中陽造の狙いが噛み合わなかった結果じゃないかな。

余談

田中陽造って、台詞に「骨」って使うことが結構あると思うんです。
『ツィゴイネルワイゼン』はもちろん『陽炎座』でも。この『地獄』でも一度だけ「骨」という言葉が出てくる(どこで何て言ってたかは忘れた)。まあ、3例だけですけどね。でも、例えば『陽炎座』では「ああ気持ちいい。骨に沁みます」って台詞なんだけど、普通は出てこない使い方をする。この映画でも確かそう。その台詞を聞いた時に「ああ、田中陽造の情念物だ」って思ったから覚えてる(その割に台詞自体は覚えてないけど)。
やっぱり骨は、肉や皮と違うものがあるんですよ。「肉欲」とか「欲の皮」とか言うけど、骨と欲は結びつかない。『ツィゴイネルワイゼン』で言ってる通り「人間の一番美しい部分」なのかもしれません。もっとも、骨の髄までしゃぶられることはあるけどね。

(1979年 東映)

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