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カフェ・ソサエティ



ウディ・アレン原点回帰という評判だったが、ウディ・アレンの集大成だった。

監督:ウディ・アレン/TOHOシネマズ日本橋/★5(90点)本家公式サイト
『ソーシャル・ネットワーク』のザッカーバーグが(<素直にジェシー・アイゼンバーグと書いた方が早い)いつのまにかウディ・アレンに見えてくる不思議。
わざわざ停電にしたりして、蝋燭の灯で撮影なんかしちゃって、もう!ヴィットリオ・ストラーロ76歳。円熟の極み。

ウディ・アレンが若い頃なら、ザッカーバーグ君が(<だからアイゼンバーグだって)失恋した辺りで終えたと思うんですよ。私がウディ・アレン好きになったきっかけが『マンハッタン』だったってこともありますけど、傷心物ってウディ・アレンの原点のような気がするんですね。『アニー・ホール』もそうですし。その辺が「原点回帰」と呼ばれた所以なのかもしれません。

でもウディ・アレンにとって硝子の少年時代はとうの昔。人生の機微を描くようになって久しい。
少し前のウディ・アレンなら、ザッカーバーグ君がクリステン・スチュワートに再会した辺りで終えてたように思うんです。ああ、あんなに輝いていた彼女が、すっかりビッチになっちまったな。そういう傷心を込めて。

しかし、ウディ・アレン81歳。そこからさらに話を転がすんですね。

ユダヤ家族にギャング、ショービズ業界、コミュニストといったアメリカの全てを詰めこみ、話の終着点が一体どこにあるんだか、どこに向かって進んでるんだか分かりゃしない。
で、ニューイヤー・パーティーの喧騒にゴールを置く。人生には祝祭が必要だよね。おめでとう!おめでとう!良いお年を!祝祭の言葉を周囲に投げかける。いまここにいない誰かを想いながら。
この一瞬の「映画的場面」のために、全てが紡がれていたかのよう。

人生の機微が全部放り込まれたような映画。すげー面白かった。

だけどあれだよね。あの『パニックルーム』を生き延びて、バンパイアに恋をし、ジュリエット・ビノシュの秘書までやったクリステン・スチュワートが、メソメソしたザッカーバーグごときで満足できるわけがないんだよ。

日本公開2017年5月5日(2016年 米)

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