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溺れるナイフ



神に魅せられた巫女の物語。荒削りだけど、この監督の今後に期待したい。

監督:山戸結希/ヒューマントラストシネマ有楽町/★3(68点)本家公式サイト
小松菜奈ちゃん演じる夏芽と菅田将暉くん演じるコウが初めて出会うシーン。
遠目には巫女のような姿に見える夏芽が、鳥居越しにコウを見つけます。
それはもう、彼女が恋に堕ちる瞬間であり、巫女が神に魅せられた瞬間でもあるのです。

菅田君はこの役を演じて山崎賢人を尊敬したそうです。つまり、「一目惚れさせる役」はその佇まいで一目惚れする“説得力”がなければならない。菅田君はこの手の役はあまり経験がないそうで、常に「一目惚れさせる役」を演じている山崎賢人はスゲーなと思ったとか。
でも、菅田君はちゃんと“佇まい”がありましたよ。俺は一目惚れしたもん。
ただこの映画ここが肝で、菅田君ファンのはずのウチのヨメは納得しなかったようで、全然ノレなかったそうです。なんなら「『ハイティーン・ブギ』から進化してない」って怒ってたもん。

やがて一つの事件をきっかけに処女性を失った巫女は、神と交信ができなくなる。
これはそういう物語なんだと思うんです。

巫女の能力を失ってから先は、女性監督のためか少女マンガ特有なのか分かりませんが、“一人の女”としての話に移行しようとします。正確には“大人の女”にまでは移行しません。あくまで“少女神話”の崩壊後の話に留まります。本当は、もっと“大人”になってから成功して欲しいところでしたが。つまり、少女という「神話」から脱皮した先に(むしろ脱皮したからこそ)現実的な幸福があってほしかった。

原作は読んでいないので分かりませんが、ジャニーズの男の子の片思いとか、上白石萌音の隠れた嫉妬心とか、そういう周辺人物の感情を昼メロチックに巻き込んだドラマなんじゃないかと推測します。そういう片鱗を映画は見せますが、基本は「神と巫女」の物語に集約する。
必ずしもスッキリした落とし所に持って行けてないのかもしれませんが、これはこれで私は嫌いじゃありません。
荒削りだけど、この監督の今後に期待したい。

2016年11月5日公開(2016年 日)

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