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ハロルドが笑う その日まで



ディスコミュニケーションに関する寓話。なんとなくいい話に見えるけど、入口、出口と過程の物語が合ってない。

監督:グンナル・ヴィケネ/ユジク阿佐ヶ谷/
★3(63点)公式サイト本家
オープニング、主人公の人生を写真で綴ります。そして最後は「父親だから」と息子の元に戻ります。こう書くと“親子”あるいは“家庭”という物語で一見つながってるように思えますが、その間に描かれる物語が合ってないように思えるのです。犯行動機の描写としてはいい入りなんですけどね。

高級家具職人とIKEAという“高級品と大衆品”あるいは“伝統と革新”という対立構図は“共に爺さん”という共通項になってしまい、そこに投入される若い娘は物語的には対立構図の中で機能しない(彼女がいることで対立が深まったり、丸く収まったりするわけではない)。

そしてこの映画が描いている中核は、それらと関係なく、ディスコミュニケーションに見えるのです。

まず主人公の老人=ハロルドは、惚けてしまった奥さんとコミュニケーションがとれなくなります。息子も電話に出ません。この携帯はいずれ投げ捨ててしまいます。出会った若い娘は嘘ばかり言い本音を話しませんし、IKEA創業者はハロルドを誰かと勘違いしているし、最後まで相互理解は得られない。

この映画で数少ないコミュニケーションの成立は、ラストの父子の再会と、若い娘の母親の新体操のクダリくらい。結局親子物かいっ!という割には、IKEA創業者は息子と電話で話すものの(ここもコミュニケーションがとれていない)、親子関係の話には進展しない。

主要人物3人は、ただ場面を共有しているだけで、物語的に交わることはなく、かといって想定外の何かが起こるわけでもない。なんとなくホンワカしていて、なんとなくいい話“風”の「なんとなく映画」。

この映画の最大の成果として、数日後にIKEAに行ってまな板を買ったよ。IKEA無駄に広すぎ。買い方面倒くせえ。カンプラードを誘拐でもしないと気がすまない。

日本公開2016年4月16日(2014年 ノルウェー)

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