私とヨメは「コリン・ファレルを笑う会」というのを結成していまして。ヨメ曰く、ヨメが会長で私はヒラ会員だそうです。しかしまあ、久しく会の活動をしてないなあということで近所の2番館で上映していた本作を観に行ったわけです。もっとも、これまでの活動も『マイアミ・バイス』でコリン・ファレルとコン・リーが「眼と眼で通じ合うフッフー!」的なシーンで爆笑したぐらいなんですけどね。
コリン・ファレルの何が可笑しいって、多部未華子と並ぶ世界屈指の「困り顔」だと思うんですよね。それがカッチョええ役をやるから可笑しく見えてくる(ファンの方ごめんなさい)。
でもこの映画、困り顔が似合う役。コリン・ファレルがハマってる。それじゃ面白くない。
映画は面白かったんだけど、会の趣旨としてはチョットね(<本末転倒)
特異なSFである。
独身でいることが悪とされ、そこから逃れた先は“自由”ではなく、恋人がいることが悪とされる。極端な制約社会下の物語。恋愛の自由が奪われた世界。
これは、思想統制の恐怖でもあり、恋愛物語でもある。
ジョージ・オーウェル「1984年」の系譜で、意外と古臭いディストピア思想ですが、60-70年経った今でも変わらないのかもしれない。
アヴァンタイトルのワンカット長回しで引き込まれる。
今となっては、この女性が誰なのか思い出せない。もしかすると、あの冷酷なショートカットの女性だったのだろうか?だとしたら、この冒頭は、映画のエンディングの続きなのではあるまいか。
そう言えば、コリン・ファレル演じる主人公は、彼女を何の動物にしたのか言わなかった。もしかすると動物にしなかったのかもしれない。そして彼女が射殺したのが、その後のコリン・ファレルだったのではあるまいか?
日本公開2016年3月5日(2015年/アイルランド=英=仏=ギリシャ=オランダ)
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