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64-ロクヨン-後編



ドラマ版と比較する必要はないのだが、全然別の物語になっている。映画版は例えるなら大人のお子様ランチ。

監督:瀬々敬久/ユナイテッド・シネマとしまえん/
★2(45点)公式サイト本家
端的に言うと、この映画は「広報官だった男が刑事に戻る物語」で、NHKドラマ版は「元刑事だった男が真の広報官になる物語」だった。原作読んでないからどっちが正しいのか知らないし、必ずしも原作と同じことが正解じゃないんですけどね。
ただ、社会人として長らく生きているオッサンとしては後者が「大人のあるべき姿」で、前者は「子供っぽいヒロイズム」に見えちゃうんです。ま、偏見ですけどね。

私、この物語のクライマックスは、指揮車に乗り込んだ広報官のクダリにあると思うんです。このエピソード、“広報官としての物語”と“64事件の元担当の物語”が交錯するんですね。一つのエピソードで2つのドラマが交錯するなんて、世界中の物語の作り手の憧れですよ。

ところがこの映画、その一番美味しいところをあっさり手放しちゃうんです。
それが原作通りなのかどうか知らないけど、その後の佐藤浩市の単独行動で大活躍なんていらないと思うんですよ。
指揮車&対マスコミのエピソードが映画(後編)の大半を占め、2つの物語を一気に解決するくらいでよかった。
なにも「昭和64年に犯人を引きずり戻す」からって、我々観客まで昭和浪花節を見せてくれんでもよかったのに。あ、逆にそれが狙いか?

余談

そうこうしているうちに、広報担当として不祥事対応をするはめになりましてね。
情報が錯綜して、こっちが現場に出向いて情報を拾って歩き、一つにまとめていかにゃならん。ほんと大変だった。まるでトイレに潜んだり指揮車に乗り込んだりする佐藤浩市気分。前編の時に冗談で書いていたことが本当になっちゃった。言霊ってあるんだね。余計なこと書くもんじゃないね。どうも、佐藤浩市でした。

2016年6月11日公開(2016 日)

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