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太陽



監督:入江悠/角川シネマ新宿/★3(56点)
本家公式サイト

設定は面白いし、いろんなものも提示してるんだけど、内容は結構ありきたりな気がする。
ノクスとキュリオという設定は面白い。
だけどそれは単純に“格差社会”の置き換えのように見える。
現実問題をフィクションに消化するのはとてもいいことだし私は好きなのですが、貧富の差でも地域格差でもいいんですけど、一度そういう“置き換え”に見えてしまうと、そこから先に描かれる内容が凡庸に思えるのです。
もうちょっと、見たことないものを見せて欲しかったんですよね。

例えば、ノクス側から太陽に憧れる者がいてもいい。
キュリオのままノスク社会に潜り込んでいるいる者がいてもいい。
ノクスに憧れる神木隆之介とキュリオのままでいたい門脇麦が、抽選結果で振り回される様にもっとフォーカスしてもいい。憎悪しながら愛が芽生えるような“浪花節”があったっていいじゃないか。

いやむしろ、今時のSFは浪花節でもいいと思うんです。
モンタギューとキャピュレットなんて家柄抗争にリアリティのなくなった時代、恋人たちを引き裂く設定がSFであっていい。シェークスピアをSFで翻案するなんて面白そうじゃないか。

それにね、ノクスと太陽の関係が弱点ってだけじゃ意味がないと思うのです。
アシモフ「夜来たる」じゃないけど、もっと宗教的な意味合いを持ってもいい。
「我々は豊かな生活と引き換えに、太陽に見捨てられたのだ」という想いがあるべきだと思うんです。そうした深遠な世界を見せてほしい。
「内容がありきたり」「凡庸」という書き方をしましたが、この設定ならもう一皮剥いで、より深く“人間”を描けたと思うんです。

それとキャスティングかな。
鶴見辰吾はいい俳優だと思いますが、これは『ガタカ』だったらジュード・ロウのポジションですよ。純血ノクスの成功者を体現してなきゃいけない。キュリオ側の憧れの象徴でなきゃいけない。鶴見辰吾かなぁ?谷原章介だったら納得するんだけどね。

2016年4月23日公開(2015年 日)

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