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ピンクとグレー



監督:行定勲/TOHOシネマズ南大沢/★3(65点)
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“目のやり場”には困らないが“気持ちのやり場”に困る映画。「だからどうした」感が否めない。
スタンダールの「赤と黒」を連想させるタイトルで、いや全然関係ないのかもしれないけど、“身分違いの世界に身を投じた男”という観点に絞ればある意味本当に本歌取りなのかもしれない。
原作は読んでないけど、テレビドラマ化された短編など見ても加藤シゲアキはなかなか面白いストーリーを書くように思う。山Pと錦戸君が抜けた後のNEWSなんて出がらしだと思ってたんだけどね。

そしていつも思うことだが、行定は“引き出し”が多い。
「またこのパターンっすか」てなことがない。

踊りの衣装、黒い椅子に白の革靴など、映画冒頭から“黒と白”を強調する。それは“死”を象徴する。
その後も、市川崑『おとうと』の“銀残し”のような色調を落とした独特のトーンで展開し、大きな転換点と共にモノクロを使用する。
「俺って凄いでしょ」的な自己主張・自己満足なテクニック披露ではなく、きちんとストーリー展開にとって意味のある“演出”としての映画技法。

こうした映画的な技法は観ていて面白い。話も悪くない。夏帆ちゃんも体を張っている。観ていて飽きない。個人的には『友だちのパパが好き』に続いて岸井ゆきのを観たことも満足している。
それなのに全体的に面白くない。はっきり言ってしまえばツマラナイ。
一言でまとめるなら「だからどうした?」って感想しか出てこない。

おそらくその要因は、観ている側の“気持ちのやり場”に困る映画だからだと思う。
大きく視点転換を求められるので、まず最初に「あらあら、さっきまで気持ちを入れて観てた私は何だったの?」ってなことになり、その後の新展開は傍観しているうちにタイムアップしてしまう。

やっぱりこの手のトリッキーな展開は、「主人公(あるいは語り部)と一緒に観客が騙される」べきであって、「観客だけが騙される」ってパターンは上手くいかないと思うんですよ。

2016年1月9日公開(2016年 日)

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