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GONIN サーガ



監督:石井隆/角川シネマ新宿/★2(45点)
本家公式サイト

しち面倒くさい桃太郎。あるいは“昭和ファンタジー”というSF。
お話しの基本構成は、仲間を集めて鬼退治に出るという「桃太郎」型なんです。
だけど、犬猿雉を集めるクダリ、というか、その設定がしち面倒くさい。
「フリは小さくオチは大きく」という明石家さんまの言葉があるけど、この映画は真逆。
確かに重要なオチに繋がる設定ではあるんだけど、説明ばかりで気持ちが入らない(頭にも入らない)長いフリの割にオチが小さい。

『GONIN』も嫌いじゃないし、安川午朗のテーマ曲が大好きでサントラを今でも時々聞いている私ですら、何の感慨も沸かないもの。
過去にすがって共感を求めていないで、今、この場のキャラクターに感情移入させてくださいよ。
(闘病中の根津甚八支援映画だって言われたらそれまでだけど)

なにも『GONIN』の設定を引き継がなくてもドラマは作れたと思うんです。むしろもっとシンプルにいいドラマが。いやもう、観客のほとんどは「知らん」「覚えてない」人たちじゃないのかなあ?てか、『GONIN 2』は設定無視して作ったじゃん。

石井隆の良さって、「70年代四畳半フォーク」的な精神性とバイオレンスの融合だったと思うんです。
バイオレンスって“ロック”なイメージなんだけど、石井隆は“ロック歌謡”。なんなら“ロックの皮をかぶった演歌”。X JAPAN的な感じ。あれ、ド演歌。
それを1990年代にやったことで(あ、ちょうどX JAPANの頃だ)、過激さの奥に垣間見える“人情話”にノスタルジー的な“近さ”があったように思うのです。

でも、もう21世紀だからねえ。“遠い”んですよ。
例えば花嫁。あそこで銃を手にはしないよ。普通、逃げますよ、あの場面。花嫁が銃を手に立ち上がることが“自然”と思えるほどの“感情”も描かれていないし。
じゃあどうして花嫁が銃を手に取るかというと、それは作り手の「昭和」的な「ファンタジー」の発想でしかないと思うのです。もはや昭和時代はSFなのです。

そうそう、昭和の頃って、銃も簡単に手に入ったし、重病人も難なく病院から抜け出せるし、工事現場の地下に潜り込んでても誰も気付かなかったよねえ・・・ってそんなワケあるかい!

2015年9月26日公開(2015年 日)

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