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軍旗はためく下に



監督:深作欣二/池袋新文芸坐/★4(80点)本家

日本のチャールトン・ヘストン=丹波哲郎。今回はスーパー軍曹。ミステリー映画としても一級品。DVD化しろや。
ドラマの構造としては、この映画のちょうど20年前に新藤兼人自身が監督した『原爆の子』に似ている。いやまあ、偶然私が最近観ただけなんだけどね。ついでに言うなら塚本晋也の『野火』も観たばかりなんだ。

昭和27年、昭和47年、それぞれの“後遺症”が描かれ、それぞれ(当時の)“今”の視点からあの戦争をあぶり出す。
これは、いわばミステリーの手法。ミステリー映画としても一級品の作品だと思う。

“後遺症”と書いたが、この映画の時点、戦争終結後27年経った時点で、まだ後遺症はいろいろな形で残っていたのだろう。ちなみに、経済白書に「もはや戦後ではない」と書かれたのが昭和31年。東京オリンピックが昭和37年。それよりも10年以上も後の映画である。

私はこの映画を、戦後70年の節目の年の終戦の日に初めて観た。戦中派の痛みを皮膚感覚で理解することはできないが、“後遺症”を“取っ掛かり”としてあの戦争を想像することは可能な世代だと思う。私はこの映画を観て、正確には先に述べたように新藤兼人の『原爆の子』や塚本晋也の『野火』、あるいは原田眞人の『日本のいちばん長い日』、岡本喜八『日本のいちばん長い日』『激動の昭和史 沖縄決戦』なんかを立て続けに観て、戦争の記憶は決して忘れてはならないと改めて痛感した。

その一方で思う。21世紀の今、あの戦争を若者に伝える“取っ掛かり”はあるのだろうか?もはや時代劇、あるいはSF的にしか捉えられないのではないだろうか?“今”の視点から描こうとすることに限界があるのではないだろうか?
この映画が激烈であればあるほど、隔世の感があったのは私だけだろうか?

そういった意味でも、「戦争映画だから」と構えずに、ミステリーを一つの入口として、若者にこの映画を観てもらいたい。本当にそう思う。でもDVD化されてないんだよねぇ。

(1972年 東宝)

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