August 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

ゼロの未来

ゼロの未来監督:テリー・ギリアム/新宿武蔵野館/
★3(55点)本家公式サイト

人の幸せは「食う・寝る・ヤる」って話なのか?決して悪い映画じゃないんだけど、なんだか置いてきぼりくった気分。
この映画には、主に3つの場面が登場します。
1つは、昔教会だったという主人公の自室。2つ目は、ギリアムが「秋葉原をイメージした」と言う外の世界。そして3つ目は、バーチャル世界の『渚にて』。
もしかすると、「ゼロの定理」を解明することは、全ての世界が融和して“無”に帰すことなのかもしれません。なにせ『渚にて』だからね。

そう考えるとレベルの高い話にも思えるのですが、ゼロの定理を解明することが何に繋がるのか、いろんなことが謎のまま話が進行してしまいます。なんだか置いてきぼりくった気分。
例えばヒロイン。主人公の命の恩人として登場しますが、結局主人公を救うには至りません。いやまあ、彼自身が救いの手を拒むのですが、監督はそういう描写に重きを置かない。だってテリー・ギリアムだもん。画面の情報量が多すぎて本筋を見失う。

そもそも、管理社会の概念がもはや古くなっている気がするのです。
ジョージ・オーウェル「1984」ビッグ・ブラザーの時代から、村上春樹「1Q84」リトル・ピープルの時代なんです。巨大組織による管理という恐怖ではなく、小さな悪意による恐怖。巨大怪獣が街を壊すことよりも、ラーメン屋で隣りに座ってた奴がいきなりナイフを振り回す恐怖。要するにこの映画の中に、今時のリアルがないのです。

ギリアム好きですよ。好きなんですけどね、未来を描いているのに、どこか古い感じがしちゃうんです。昔の人が思い描いた未来。そんな感じがしちゃうんです、この映画。そこがいいという人もいるかもしれませんけど、好きだからこそ耐えられないってのもあるんだよなあ。悪い映画じゃないんだけどなあ。

日本公開2015年5月16日(2013年/英=ルーマニア=仏)

comments

   

trackback

pagetop