この映画で描かれる韓国の田舎町や偏見・差別が(ネタバレになるから詳しく書かないけど)、「まあ、そういうもんだよね」と頭で理解はできるものの、私には皮膚感覚で理解できません。有り体に言えば「今の日本、そんなの屁でもないよね」とか「いくら田舎でも今時それはないんじゃない?」くらいに思っちゃう。シックリこないという言い方が正しいでしょうか。韓国じゃどうなのか知りませんが、日本人の感覚だと極端に分かりやすいステレオタイプにしか見えず、むしろコミカルにさえ思えます。
そしてこの映画は、これら“ステレオタイプにしか見えない”“シックリこない”部分がが、映画の肝なのです。それ故、映画自体がシックリこない。
韓国では社会問題告発系(?)問題作なのかもしれません。知りませんけど。
ただ、私の個人的な希望を言えば、社会問題よりもペ・ドゥナ個人の問題を掘り下げて欲しかったと思うのです。ペ・ドゥナの気持ちがもっと揺れてほしい。あわやダークサイドに堕ちそうになってほしい。なんなら堕ちてほしい。いや、いっそ堕ちるべきだった。というのが本音です。
ま、堕ちたら堕ちたで、別の映画になっちゃうけどね。
日本公開2015年5月1日(2014年 韓国)
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