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Mommy/マミー

マミー監督:グザヴィエ・ドラン/恵比寿ガーデンシネマ/
★5(92点)本家公式サイト

誰にも感情移入できず冷めた目で観ていたのに、知らぬ間に涙がこぼれていた映画。
最初、不快なんですよ。社会の底辺の人種のゴチャゴチャとかどうでもいいわ。この母子、どっちも観ていてイライラするし。とか思って。
それがどっかでスイッチが入るんだ。どこで入ったか分からないくらい自然にスイッチが入ってしまう。知らぬ間に物語に飲み込まれている。

この感覚、個人的にはヴィスコンティ『家族の肖像』に似てたんです。最初は「不快」で、終わってみれば「すげーモン観せられた」って感覚。いや、話は全然違うんだけどね。

正方形の画面が、唯一横長フルスクリーンになるシーンがあります。そこで描かれるのは母親の妄想。未来予想図ではない。おそらく、果たされることがない願望。言わば、絶望の裏返しなのです。

その後(ほぼ映画終盤ですが)、彼女は「希望だ」と言います。息子を手放したのは、将来への希望(のための治療)だと言います。それは一見、横長フルスクリーンで描いた願望へつながる希望のようにも思えます。
でも私は、本当は違うんじゃないかと思うのです。
一人残された彼女の姿は、自分を偽り自分自身へ言い訳している苦悩の姿に見えるのです。彼女は息子を捨てたのです。
一方息子は、捨てられたことを薄々知りながら、この場を逃げ出し、おそらく母親の元へ戻ろうとするのでしょう。親子とは、解り合えているようで解り合えていない、解り合えていないようで解り合えている、そんな関係なのかもしれません。

痛い映画です。ヒリヒリするほど痛い。カラオケのシーンとか、ホームセンターのシーンとか、痛い痛い。
観ていて疲れる。

日本公開2015年4月25日(2014年 カナダ)

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