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ノストラダムスの大予言

ノストラダムスの大予言監督:舛田利雄/DVD/★4(70点)本家

丹波哲郎先生の大演説映画。その説得力に感動すら覚える。丹波哲郎ファン必見。観られないけど。
文部省推薦で大ヒットしたにも関わらず、ソフト化されずに幻の映画となった作品。知人が海外流出版(ノーカット)を見せてくれた。かなり画質は悪かったけどね。

この手の幻映画は「珍作」「トンデモ映画」と思われがちですけど、実はそんなことない。立派な大作。この映画がソフト化されない理由は被爆者団体がクレームをつけたからで、それだって差別意図でないことは見れば明らか。単なる過剰反応にすぎないと思う。
むしろ「トンデモ」なのは、「中野昭慶、爆発させすぎ。さすが爆発昭ちゃんwww」ってところだったりする。

だってあなた、八住利雄の脚本だよ。トンデモなわけないじゃん。むしろ熱い話ですよ。舛田利雄の演出だって堅実ですよ。いやまあ、舛田利雄時折ハズしますけど。この映画も核戦争で世界消滅!みたいな丹波哲郎の妄想が大爆発しちゃいますけど。
てか、この妄想映像、松林宗恵の『世界大戦争』の使い回しのような気がするんだ。あ!これも八住脚本だ!

これは丹波哲郎先生の大演説映画です。科学的な説明なんかメチャクチャ演説しちゃいます。全編演説だと思ってもいい。ところが、人の“感情”は言葉にしない。画面や表情で見せるんです。この頃の映画は、そういうことがキチンと出来てる。

この映画は、東宝が『日本沈没』に続いて挑んだパニック大作なんですが、どうしてこの頃はパニック映画が流行ったんだろう?オイルショックとか言って人々がトイレットペーパーに殺到したって話があるじゃない?あれが1973年らしいんですよ。『日本沈没』と同じ年。この映画が1974年制作。

おそらくこの頃、日本の高度経済成長の“闇”が表面化してきた時期なんだと思うんです。例えば公害。光化学スモッグが注目されたのが70年代。浮かれていた大衆心理に変化が生じ始め、急激な社会の変化に対する不安が人々の深層心理に芽生え始めた。そんな時にパニック映画がマッチしたのではないかと思うのです。ちなみに『タワーリング・インフェルノ』が同じ年なんだよね。

で、この映画は、ノストラダムスの予言がどうのではなく、自然破壊、環境問題に対する警鐘映画なんです。地球の危機について大演説するマッドサイエンティスト丹波哲郎が熱い熱い。それを環境庁長官役の鈴木瑞穂がクールに受け止めて、説得力を増すんです。よく考えられてます。

ところで知ってる?環境庁って設立されたのが1971年なんだって。この映画のわずか3年前。この頃、確実に世界は傾いていて、それをハッキリと訴えた映画なんです。

1974年(1974年 東宝)114分

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