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her/世界でひとつの彼女

her監督:スパイク・ジョーンズ/渋谷シネマライズ/★2(30点)本家公式サイト

ん?それはチャットと何が違うの?要するにこれ、全米男性憧れの的スカーレット・ヨハンソンに喘ぎ声出させたり下ネタ言わせたりしてウヒウヒする映画なんだろ?
え?ピンとこない?じゃあ、あれだ、日本で言うなら、綾瀬はるかに喘がせたりエロ話させたりするようなもんだ。どう?

その昔Telephone●exと呼ばれていたことをチャットでするじゃないですか。
で、思ったんですけど、これ、チャット相手が話も上手で、会話だけで恋しちゃうような女性だったらどうだったわけ?そのチャット相手が何人もの男と同じようなことしてたら?「実際に会ってくれない」という前提があれば、この話、人工知能じゃなくても成立するよね?いやもう、有り体に言っちゃえば文通だっていいんだ。

姿形を知らぬ君に恋をする。

この映画、これ以上でもこれ以下でもない。結果、ありきたりな恋愛映画で終わっている印象。『ユー・ガット・メール』と変わらんじゃないか。

本当は「コンピュータに心奪われた人間」というコンセプトだったのかもしれない。
電車に乗ると乗客みんなスマホいじってゲームしてるもんね。そういう現代批判だったのかもしれない。
そうかあ?
日本じゃ、『GHOST IN THE SHELL』で、「電脳が意思を持つ」「人間と機械の境界は?」という神の領域にまで迫る問題提起が20年近くも前にされてるわけじゃないですか。
そういう高尚なアプローチをする様子もなく、ありきたりな恋愛映画に終始し、特に強いメッセージもない。

あるいは、「女性は進化するけど、男はいつまでたっても中2病」って話なのかもしれない。
これはOSの彼女はもちろん、奥さんとの関係でも明確で、この映画のメインテーマなのだと私は思う。

ホアキン・フェニックスとルーニー・マーラが離婚協議書にサインするシーンがあります。
この映画で数少ない、主人公が誰かと正面向いて対峙する場面です。この映画の主人公「横並び」の会話シーンが多く、「正面から向き合う」という場面はこのシーン以外ほとんどありません。映画は「正面から向き合う」ことを避ける主人公をきちんと描写しているのです。
ホアキン・フェニックスは『ザ・マスター』に師事した人間ですから、世間との衝突を避ける人間であっても仕方ありません。それをルーニー・マーラが真正面から批判しますが、これも仕方ありません。だって彼女は『ドラゴン・タトゥーの女』ですから。

なんて冗談はさておき、主人公は、奥さんと一緒に“成長”できなかったのです。
じゃあってんでコンピュータと仲良くしたら、これが物凄い勢いで成長しちゃって、僕ちゃんついていけません、相手できるのはゲームだけです、って映画。
このテーマに関しても、中途半端な女友達が出てくるんで、ウヤムヤになっちゃうんだけどね。
脚本賞は分かるけど、頭でっかちな映画だと思う。

そして何と言っても、OSの彼女が何千人と同時に会話しているだの彼氏が何百人いるだのって聞いて、「ふぇ〜ん、僕ちゃんひとりじゃなかったのね(泣)」ってなるじゃないですか。

アホか。

売れっ子キャバ嬢がどれだけの数の男を手玉に取ってると思ってるのさ。
それも全員「あなたが一番」って思わせるように振る舞うのさ。
これがキャバ嬢とガールズバーの女の子の決定的な違い。ほんと、デキる子はレベルが違うんだから(以下、長くなるので省略)。
おっと、そうこうしているうちにキャバ嬢からLINEが入った(<コンピュータに心奪われた人間)。

日本公開2014年6月28日(2013年 米)

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