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そこのみにて光輝く

そこのみにて光輝く監督:呉美保/テアトル新宿/
★3(62点)本家公式サイト

大きさを比較するのにタバコを置いたりするじゃない?そういうのが足りないと思うんだ。
主人公の綾野剛が何者なのか分からないまま話が進むんですね。中盤以降に彼のトラウマが明かされるまで、ずっと「何だろう?」で話を引っ張っていくから気持ちが乗らない。「どうなるんだろう?」って興味を引き始めるまで結構時間がかかる。
で、途中でやっと気付いたんです。綾野剛は語り部で、彼が見た池脇千鶴一家の物語なんだって。構図としては『伊豆の踊子』に近い。

もう一つ気になったのが(気持ちが乗らない要因だったのが)、これは何時の話なんだ?ってこと。

原作は1989年のバブル真っ最中。
そんな浮かれた時代に、造船不況で“死んだ街”となった函館。そういう世間から隔絶された舞台設定だからこの話は活きるんだと思う。
で、この映画はこの時代なの?それとも今なの?
つまりこの映画には、この舞台を客観的に照らす光がない。
『伊豆の踊子』だって「旅芸人通るべからず」という看板で、世の中で蔑まれているポジションを明示してるぜ。

悪い話ではないし、悪い映画でもない。
でも、少なくとも私には、この映画に自分を投影する取っ掛かりがない。
文字通り「そこのみに光」が当てられていて、俺には何の引っかかるところがなかったんだよね。

2014年4月19日公開(2014年 日)

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