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ブリングリング

ブリングリング監督:ソフィア・コッポラ/吉祥寺バウスシアター/
★3(60点)本家公式サイト

ソフィア・コッポラの『時計じかけのオレンジ』
この映画、ソフィア・コッポラの視点は介在しないように思うんです。
いままでの彼女の監督作は、どこか「女子大生物語」的な感じで、彼女の視点で彼女が感じたことをそのまま切り取って写してきたような印象がある。それは何か“天性”のようなもので、「幼い頃から8mmとか回してたんだろうなあ」って感じがしていた。

しかしこの映画は違う。
(たぶん初めての)実話ベースということが影響しているのだろう。いろいろ調査したのかもしれない。
天性とか感性とかとは違った所で映画を組み立てているように見える。

もしこの映画にソフィアの視点を感じるとしたら、自分の知らない世界=今時の若者を、彼女の視点で彼女の感じるままに描いたという点だろう。
だから、取り立てて犯人たちに感情移入しない。
「この子たち、盗みに入ったことをパーティーでベラベラ喋ったり、Facebookにアップしたりしちゃうんだ。へえ〜」みたいな感じで撮ってるように見える。

おそらくこれは、現代版『時計じかけのオレンジ』なのだ。
いや、『時計じかけのオレンジ』の方が未来なんだが。
しかしここには、未来を予測したSF特有の「現代社会への警鐘」といったようなものはない。あるいは『狂った果実』の太陽族のような、若者の内面ウンヌンといったこともない。貧しさを恨んだり病んだ社会を呪ったりもしない。

そうした描写がないことが決して悪いわけではない。むしろ、それが現代病なのだ。
ソフィア・コッポラは、おそらく天性の勘で、「もっともらしい答え」なんか無いことが分かっているのだと思う。

欲を言えば、「セレブ好きのアメリカ社会」ってのが皮膚感覚で理解できないこと。
これが分かると、この映画がだいぶ皮肉めいた作品に見えたかもしれない。
あと、個人的には、オリジナルの雑誌記事の「容疑者はルブタンを履いていた」ってタイトルの方がかっこよかったと思うけど、まあいいや。

余談

いやもう、エマ・ワトソンはハーマイオニーの面影はどこへやら、もうすっかり悪女女優ですわ。日本で言えば相武紗季みたい。あ、俺、『ハリー・ポッター』シリーズ一つも観たことないや。

日本公開2013年12月14(2013年/米=仏=英=日本=独)

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