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凶悪

凶悪
監督:白石和彌/ヒューマントラストシネマ有楽町/★1(20点)本家公式サイト

話は面白い。主役たちも悪くない。これでもう少し、脇を固める役者を充実させて、撮影と脚本と監督あたりのスタッフ総入れ替えして一から全部撮り直したら、面白い映画になると思う。
違う意味で「見たことない映像」が結構あって驚く。死刑囚との面会で、刑務官っていうの?あの人がやたら見切れるんです。カリカリ筆記する音もうるさいしね。何か意味があるのかと思ったら、どうやら演出が下手なだけらしい。
裁判シーンも同様。やたら傍聴人が目立つんだ。

それがこの映画を象徴しているというと大げさだが、映画全体のピントがボケている気がする。
要するに『冷たい熱帯魚』なのか『ゾディアック』なのか。

『冷たい熱帯魚』は犯罪に巻き込まれた人間の異常心理に焦点が当てられていた。
『ゾディアック』は犯罪を追求する人間が、その犯罪に魅入られていく様に焦点が当てられていた。
こう書くとこの映画は『ゾディアック』寄りなのだが、印象は『冷たい熱帯魚』なのだ。

勝手な推測だが、作り手は『冷たい熱帯魚』寄りの映画を作りたかったんじゃないかと思う。しかし、ストーリーテリングの都合で「記者が解明する」という設定にした上に、記者の家庭の事情を中途半端に挟んだもんだから、焦点がボケちゃったように思う。
もっと言えば、「山田孝之演じる記者と奥さん演じる池脇千鶴も、一歩間違ったら爺さん殺害を依頼した家族に陥ったかもよ」「それくらい犯罪って紙一重かもよ」ってことなら、あの家族をもっと突き詰めて描写すべきだったと思う。
しかしどこかで、「犯罪者の魅力」を描きたがっている。要するに『冷たい熱帯魚』のでんでんだ。それならば、記者は「語り部」に徹するべきだったと思う。

いやもうそれ以前に、演出がダレダレで観ててダレるんだよ。
無頼鮨の大将がとてもいいという評判だっただけに残念だ。

2013年9月21日公開(2013年 日)

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