2013年になって鑑賞。この映画の公開当時、あまりキム・ギドクを好きではなかったんだけど、今は大好き。
これは何か気に入った作品に出会ったというよりも、私の好みや受け止め方が変わったから。精神的に痛い話、見たことないものを見せてくれる映画、特異な設定で自然な感情の流れの描写、基本イッちゃった話が好き・・・という傾向が年齢とともに強まっている。振り返ってみればキム・ギドクは適役だったというわけ。
そしてこの映画は、そうした私の理想を全部満たしている。
ウヒャウヒャ言いながら楽しむ「ギドク劇場」。悲劇なんだけど度が過ぎてて笑っちゃう。
この映画、まるで抜身の刃物を振り回してるようなギラギラした印象がある。
ただねえ、あんまり語ることがないんだ。
なぜなら、登場人物が途方に暮れているのと同様、観てるこっちも途方に暮れるから。
(2006年 韓国=日)
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