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スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

監督:三池崇史/DVD/★3(60点)本家

西部劇というより香港映画。ちょっとやりすぎ。
この映画の公開当時は三池嫌いだったので、見逃していた作品。
DVDで観たのがいけなかったのかなぁ。言うほどヒドくはないけど、言うほど面白くもない。これが「日活何周年記念」とかで作られた無国籍映画というなら面白がったろうけど。
今ではすっかり三池好きなのに、今観てもこの頃の作品には嫌な臭いがつきまとうのは何でだろう?

春夏秋冬多種多様な映画を撮る強面=三池崇史。その“巧さ”と“志の低さ”が噛み合わない人で、そのアンバランスさが魅力なんだと思う。
ただ、本人も「仕事で撮ってるだけ」と公言している通り、作品で何かメッセージを発する気がないのはもちろん、映画自体にも愛情がないんだと思うんです。(これだけ多作なんだから仕事は嫌いじゃないんだろうけど)

私が三池好きになったのは『ヤッターマン』からで、これはもう彼のヤッターマン愛、正確にはドロンジョ様愛、もっと正確には色白ぽっちゃり系女性にボンテージを着せる愛に満ちた映画だった。
しかしこの映画からは、西部劇に対する愛情は感じられない。少なくとも私には感じられなかった。
有り体に言えば、ただ「変なこと」をやりたいだけ。もしかすると「マカロニウエスタン」から「スキヤキウエスタン」って単語を先に思い付いちゃっただけなんじゃないかとさえ思う。

三池とタランティーノの類似ということに言及されることが多いが、これは当人たちが対談の中で「俺達の映画に共通点なんか一つもない。俺達の共通点は共に栗山千明の大ファンということだけだ」という名言で否定している。私もそう思う。栗山千明ファンかどうかは知ったことではないが。

両者の共通点は、血が多く流れる作風と、圧倒的な“巧さ”ぐらいだと思う。中でも三池の群衆の捌き方は、今世界で一番巧いんじゃないかとさえ思う(むしろタランティーノは集団の中の“個”を描くのが巧い)。
しかし映画そのものに対するアプローチが根本的に違う。
たしかに二人とも“引き出し”は多いのだが、タランティーノが(マニアックな)映画を偏愛し、自作についてもベラベラ饒舌に話すほど「やりたいこと」が先行するのに対し、三池崇史は「どや!こういうのオモロイやろ?」ってのが先行する人だと思う。
そしてその「どや!」感が強すぎると「てんこ盛り」すぎて「やりすぎだなあ」と思ってしまうのだ。

(2007年 日)

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