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希望の国

希望の国監督:園子温/ヒューマントラストシネマ有楽町/★3(61点)(本家/公式サイト

まるで『グラン・トリノ』。俺、大きくなったら夏八木勲になりたい。
私は、文学者・石原千秋が言った「優れた作家は本当に描きたいことを隠す」という言葉を信じている。だって「この話はこういう教訓を含んでいるんですよ。めでたしめでたし」なんて自ら語る昔話なんてないでしょう?
しかしこの映画は「この国は一歩一歩やり直すんだ」とあからさまに言います。んー、言ってることは分かるんだけどねえ・・・。
園子温は、表現したいことが明確にあって作品を作る作家だと思う。だから、あの災害を前にして何か言いたくなったのは仕方がないとも思う。

園子温はこの映画で、あの災害を映像に残そうとした。
ならドキュメンタリーの方がよかったんじゃないかとも思うのだが、たぶん園子温が映像に残したかったのは「人々の気持ち」だったんじゃなかろうか、と私は思っている。
草木が大地に根付くように土地に根を下ろした住民が、断腸の思いでその地を離れる。そんな気持ちを作品(映像)に収めて、後世に残そうとしたのではないだろうか。

しかし私は、別な意味で「映像に残すこと」の意義を考えていた。
大谷直子だ。
フィルムに焼き付けられた『肉弾』のピチピチの大谷直子を見ている。
『ツィゴイネルワイゼン』の妖艶な大谷直子を知っている。
そしてこの映画では老婆役。
何かこう、非常に感慨深いものがある。
この映画の本筋と関係ないけどね。

関係ないついでに言うけど、夏八木勲がカッコ良すぎ。俺、大きくなったら夏八木勲になりたい。

2012年10月20日公開(2012年 日本=英=台湾)

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