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女系家族


監督:三隅研次/CS/★4(70点)本家

キャットファイト
これ、三隅研次だったんだ。三隅研次の現代劇って初めて観た気がする。
無理な映画的まとめが気になるが、それはそれとして、まー、面白いこと面白いこと。
カメラ、美術、演出、そして役者といろんなものが上手く噛み合っている。

『ぼんち』もそうだけど、ステロタイプのキャラクターのハマり具合が美しい。
山崎豊子原作物の面白さって、“人の心の機微”ではなく“状況”だと思うんです。
複雑な状況を織りなす多数の登場人物はステロタイプで手堅くまとめる。これ、巧い演出方法ですわ。

この原作は何度もテレビドラマ化もされてるけど、現代に設定を置き換えたら何の意味もないんだよね。
この話における“状況”の最大の肝は「戦後、民法が変わった」ってことなんだから。

現代の視点だと長女・京マチ子が強欲に見えるかもしれないけど、彼女が頑張ってるのは“総領娘(長女)のプライド”なんですよ。
実際、台詞でも「大金の使い道は考えていない」というような事を言っていて、お金が欲しいというよりも、長女として姉妹の中でナンバー1でなければならないというプライドが彼女を突き動かしているのです。それが船場のしきたりですがな、なんですの新民法って、ってわけです。そこを見誤っちゃいけない。

同様に、若尾文子演じる父のお妾さんも“プライド”で行動しているのです。
両者の違いと言えば、“執念と情念”といった所でしょうか。
鴈治郎や田宮二郎といった男どもが“欲”で行動しているのに対し、この美しくも気高い女性陣は“プライド”のために戦っているのです。

ある意味、ハードボイルド。

(1963年 大映)

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