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KOTOKO

KOTOKO監督:塚本晋也/テアトル新宿/
★3(68点)本家公式サイト

今になってやっと『悪夢探偵』でやりたかったことが分かった気がする。
正しくは、ここんとこ塚本晋也がやってることの集大成という感じ。

『悪夢探偵』では夢と現実の2つの世界の交差を描きますが、この映画も基本的には同じ。
この「2つの世界が交錯する」話は、『双生児』辺りから始まっていて、『六月の蛇』『ヴィタール』と「肉体と精神」という2つの世界、ある意味「背反しない二律」を描き、とうとう『悪夢探偵』で分かりやすく2つの世界を描写するに至ります。

『KOTOKO』では、この2つの世界が交差してまた離れていくんですね。

最初の頃のKOTOKOは、他人の善意と悪意が見えてしまう。やがて一時の平穏な時間を経て、やがて自分の中の「善と悪」2つの世界が分からなくなる。
この「一時の平穏な時間」を提供する“悪魔”が、塚本作品の常連=塚本晋也。彼はたいがい「一番美味しい役」を持っていく(笑)。
塚本晋也が演じる役は、いつも主人公に変化をもたらす媒介としての“悪魔”だ。

映画監督・塚本晋也は、一貫したテーマを描き続ける作家である。
「都市」「暴力」「肉体」「精神」。そうしたものを「破壊」し、人間を「再生」させる。2つの世界の交差も「破壊と再生」の延長上にある。
そして彼が本当に描こうとしていることは、「人間が人間であるためには苦痛を伴う」ことではないだろうかと、この映画を観てあらためて思う。

いやもう、それは『電柱小僧の冒険』から一貫してるのだ。

2012年4月7日公開(2011年 日)

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