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荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE

荒川アンダーザブリッジ
監督:飯塚健/吉祥寺バウスシアター/
★2(28点)本家公式サイト

ROCKかROCKじゃないかと言えば、この映画はROCKじゃない。むしろ演歌。
原作もテレビドラマもちょこっとかじっただけなんだが、そっちはもっとずっとロックだと思う(実際面白い)。
中村光のマンガが持つ“間”の面白さが映画では活かされない上、映画はハチャメチャ感が足りないと言うか、ウェットな面とハチャメチャな面の“ウェットな面”ばかりを切り取った印象。

いやまあ、原作と比較は置いておくとしても、かなりバカバカしいものが期待できる設定なのに、バカに常識めいたものを提示された感じ。ちっともロックじゃない。バカバカしいものを観に行ったらバカにされた、と言ったら言い過ぎか。

この映画は、鶴の恩返しとは逆のパターンで、異空間に飛び込んだ者が成長する物語なんだと思う。

この映画の設定であれば、生まれながらの“勝ち組”主人公は「常識」に囚われていて、この河川敷という“異空間”での経験を経て「常識からの解放」、言い換えれば「魂の解放」を得るのが正しいドラマツルギーのように思える。

ところが結果は、「彼らの生活空間を守る」という一般的な「常識」に固執し、非常に常識的でベタな「めでたしめでたし」。そんなのロックじゃない。
父親への抵抗が彼の“解放”なのであれば、父親の存在がもっと映画上大きくなければならないだろう。そもそも、権力を借りて父親に勝とうとする根性じゃ、なんら成長していない。

むしろこの設定なら、「住処を失っても人(?)の心は失わねえぜ!」ってテーマであるべきだったと思う。
第一、生まれながらに“勝ち組”の彼は敗北しなければならない。
巨大な権力の前にコテンパンにやっつけられて、いろんなものを失って、それでも一掴みの「心」を得る、というのが正しい話だと思うんだ。
だって、その「心」を教えてくれるだけのキャラクターが揃ってんじゃん。
非常識な設定だからこそ、日常的な常識以上の「リアル」が描けるんじゃないのか。

脚本の技術的な問題もある。

ニノが金星に帰るのが七夕。工事着工が七夕。こういうオイシイ設定をどうして捨てちゃうかな?
なんで工事早める?むしろ工事が早まって同じ日にするべきでしょ?
それらが同時に進行してバタバタした方が面白いじゃない。
そして、恋物語の終焉とパラダイスの終焉がリンクしなけりゃダメじゃない?

2012年2月4日公開(2012年 日本)

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