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ある日どこかで

監督:ヤノット・シュワルツ/シネマシティ立川(再鑑賞)/★5(90点)本家

思い出は美しすぎて(映画的にも個人的にも)
公開時、私のいた栃木県では2週間で打ち切られたと聞いている(不入りだったのだろうか)。
その時(中学生の頃)私は観ていなかったが、仲間内で「傑作」の呼び声が高かった(高校生の頃)。
そうしたファンが多かったせいかどうか、意外とあっさりビデオ化されてた気がする(大学生の頃)。だって俺、ビデオ持ってるもん。

2011年、20年以上ぶりの再鑑賞にして、初のスクリーン鑑賞。毎度毎度「午前十時の映画祭」に感謝。

今あらためて観ると、話も映画も「安い」んだ。
私の思い入れが強すぎて、記憶を美化していたのかもしれない。
あるいは、当時の若者にとっては、分かりやすく「いい映画」に写ったのかもしれない。
今で言うところのライトノベル的な、「SFプラス切ない系」という要素がそうさせたのかもしれない。
ちっともSFじゃねーけどなっ!
だいたい、この原作・脚本のリチャード・マシスンって、『運命のボタン』とか『リアル・スティール』とかの原作者でしょ。ちっともSFじゃない!

しかし、それでも個人的な思い入れの強さから、星5評価は変えない。
いろんなことを勝手に脳内補完しちゃってるから。
ヤノット・シュワルツをはじめ、決して一流とは言えないスタッフの歯車が上手く噛み合って丁寧な仕事をしているとも思うし。

初めて彼女の写真を見た時に視界を遮る日光や、初めての出会いでも視界を遮る樹木など、二人の「距離」をさりげなく(極力台詞を抑えて)印象付ける演出。
「ラフマニノフは好きだけどその曲は知らない」という一言で、この曲が発表される前の時代であることを表現すると同時に、後に彼女が「彼が未来から来た」ことを知るきっかけなのであろう暗示。
そして何より、「男に向けて微笑んだ写真」という、男が写真の女に魅了された必然。

結果として互いに不幸しかもたらさなかった出会い。
その後の何十年かを待ち続ける彼女の想い。
もしかすると、観ていた時よりも、観終わってから思い返した方が美しく輝く映画なのかもしれない。
劇中人物にとっても、観客にとっても。

(1980年 米)

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