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にあんちゃん


監督:今村昌平/BS/★3(68点)本家

イマヘイは「(社会的)弱者のバイタリティ」に惹かれるようだ。
この映画の舞台は昭和28年か29年。
ゴジラが日本に初上陸した頃である。
言い換えれば、にあんちゃんが目指した東京が当時どんな姿だったか、それは初作『ゴジラ』を観れば分かるわけだ。
もっとも、この映画でも一瞬東京に行くんだが。

私の今村昌平知識は乏しいものだが、その中で私の持つイマヘイ感は2つある。
「社会的弱者が力強く生きる様を描く」ということと、「“欲”という本能を描く」ということ。
2つと言ったものの、両者は根底で繋がっているんだが。

ややもするとこの映画、「貧しさに耐える兄弟の感動作」として世間で捉えられているかもしれない。
それはそれで間違いじゃないんだが、私が思うに、観客の安易な同情なんかイマヘイは欲してなくて、「それでも生きていくバイタリティ」を描きたかったんじゃなかろうかと思う。
文部省推薦的な美しい話よりも、泥沼から這い上がる人間の“本能”に魅力を感じる人なんだと思う。

本来トンガッたイマヘイ映画の中で、この映画は「子供主人公」のお陰もあって、世間でも受け入れやすいポジションにある作品だと思う。
不満だ(笑)。

本当はね、新藤兼人『裸の島』みたいな、観てて嫌になるくらい悲惨な話が観たかったのよ(<どういう趣味だ)。
考えてみれば、今村昌平の映画は悲惨一辺倒ではなくて、どこかユーモアがあると言うか、活力のある映画なんだよな。

いやしかしねえ、ある一面とは言え、わずか50年前の日本の姿ですよ。
この頃の子供が、今や邪魔臭い年寄り扱いされているわけですよ。
当時の東京の姿とあわせて、感慨深いと言うか、ショックと言うか・・・。

(1959年 日活)

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