November 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

わたしを離さないで

わたしを離さないで監督:マーク・ロマネク/TOHOシネマズ日比谷シャンテ/★2(30点)本家公式サイト

俺があと30歳若かったらノレた設定かもしれないが、それでも「だから?」って感じ。キャリー・マリガンは良かったし、劣化したキーラ・ナイトレイもハマってたけど。
『ガタカ』的な臭いを感じて観に行ったのですが(『ガタカ』はスクリーンで観なかったことを未だに後悔している)、この話、『スカイ・クロラ』と何が違うの?

背景の世界観は広いんですよ。
しかし、物語として描かれる範囲は実に狭い。
いや、「エヴァ」や『スカイ・クロラ』も同じようなもんなんですが、そこにはもっと「生きるとは」「人間とは」という根源的なテーマがあったし、掘り下げようと努めていた。
しかしこの映画は、台詞としてナンジャカンジャ言うものの、物語的には三角関係の収束に終わってる気がするんですよ。『タッチ』かっ!
例えば「オリジナル」を見に行く場面。あそこはもっと深い何かが描けた気がするんです。
「自分のオリジナルは何なのか」もっと苦悩して、初めて本当に世界と関わりを持てるんじゃないのだろうか?

そもそも世界との関わり方が淡白でね。これは世代の差なのかなあ。
昔は違ったよね。
『ブレードランナー』って言うと思うでしょ?実は『パピヨン』の方が対極にあると思うんだ。
まあ、『パピヨン』は「そこまでやるか(苦笑)」って暑苦しさもあるけど、背景たる広大な“世界”と戦うんですね。
でもこの話は、あくまで決められたルールの中で、ちょっとだけバタバタするだけ。
これは時代なのかなあ?
『パピヨン』まで暑苦しくなくてもいいから『ブレードランナー』ではあってほしい。
そうでないと映画化する意味が分からん。
お前らが勝手に決めたルール(世界観)の中で勝手に泣いたり笑ったりしたところで、「だから?」って感じ。

海に行くシーンがありますね。
あそこは、彼らが知らない“広大な世界”に触れるシーンのはずなんです。
原作がどうかは知りませんが、もし原作にあるシーンなら、作家には意図があるはずなんです。
しかし映画は、単にキーラ・ナイトレイが告白するシーンに置き換えてしまう。
(もし原作にあるシーンなら)この映画は表面上のストーリーを追っているだけのように思えるのです。
あの海(それもわざわざ封鎖を超えてまで向かう)は、確実に、彼らが閉じ込められている世界の果て、あるいは向こうの世界なはずなんです。
なんであーも扱いが軽いかな。

そう考えると、話(設定)の面白さと美しい撮影は認めないではないのですが、映画として物語を消化(昇華)しているようには思えんのですわ。まあ、原作知らんから何とも言えんのだけどね。

それと余計な話だけど、『NEVER LET ME GO』って小説も同じなのかしらん?
ツマラン部分を切り取ったもんだし、映画じゃあんまり活かされてもいない。
『歩いても歩いても』を見習った方がいい。

日本公開3月26日公開(2010年 英=米)

comments

   

trackback

pagetop