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トゥルー・グリット

トゥルー・グリット監督:ジョエル&イーサン・コーエン/新宿武蔵野館/★4(88点)本家公式サイト

コーエン兄弟初のファミリームービー(爆)。それでも彼らは「アメリカ土着映画」にしてしまう。
ファミリームービーってのは冗談ではなく、コーエン兄弟自身がそう言ってるからね。ま、その発言自体が冗談かもしれないけど。
ついでに言うと『勇気ある追跡』のリメイクと言われているが、同じ原作を映画化しただけであって、コーエン兄弟は『勇気ある追跡』を参考にしていないと発言している。このオカシナ兄弟は『ディボース・ショウ』の時は「ブレイク・エドワーズを参考にした」と言っているんだけどね。いろいろ間違ってると思うんだが、まあそれはいいとしよう。

私はこのインテリ兄弟を、イーストウッドとは違った視点で、“アメリカを描く作家”だと思っている。“アメリカの土着性”と言ってもいいかもしれない。

『ファーゴ』では北部を、『レディ・キラーズ』では南部を、『バーバー』では片田舎の庶民を、『シリアスマン』ではユダヤ人コミュニティを、『ディボース・ショウ』では訴訟社会を、『ノーカントリー』ではモラル無き時代を、『ビッグ・リボウスキ』ではボウリングを描いてきた。ん?ボウリング?

そして、自称ファミリームービーのこの映画でも、やっぱり“アメリカ”を描いていると私は思う。

これは、何でも訴訟だ弁護士だ言う今時のアメリカ現代っ子が、古きアメリカを体現したような初老の男と、エリート風を吹かす嫌味な高度経済成長期アメリカみたいな男と復讐に立ち上がる物語だ。そして復讐には代償が伴う。もはや「万事OK」的なハッピーエンドはそこにはない。

また、別の角度から見ると、父娘の物語にも見える。
主人公の少女は「父の復讐」と言うが、いかに父を愛していたかという描写はない。
それどころか、父は棺桶の中で一瞬顔を見せるだけで、母や兄弟に至っては話に出てくるだけで姿は見せない。
しかし確実に、この映画は少女と初老の保安官との間で「父娘の物語」として機能している。
二人が「父と娘の関係」になることが、この映画の主人公達の成長の証なのだと思う。

日本公開3月18日公開(2010年 パラマウント)

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