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行きずりの街

行きずりの街監督:阪本順治/新宿バルト9/
★4(70点)本家公式サイト

21世紀に“松田優作映画”は成立するか?という実験映画(?)第2弾。噴飯物の古臭さだしお薦めはできないんだけど、俺は嫌いじゃない。むしろ好き。
『カメレオン』と同じ製作×監督×脚本スタッフ。カメラは違うんだけどね。

製作の黒澤満は松田優作のおかげでプロデューサーとして一本立ちできた人。いろんな作品を手掛けてるんだけど、時々「優作の夢をもう一度」的な映画を作るんだ。
脚本の丸山昇一は、私は丸出ダメ夫だと思っているのだが、なんだか松田優作に気に入られて、未だに松田優作の呪縛から逃れられない人。いわば優作シンドローム。「症候群」と書いて「しょうこうぐん」と読む。日本語は正しく読もうね。

そういう優作信者達がなぜか阪本順治を担ぎだして、松田優作のために書いた脚本を映画化したのが『カメレオン』。
その時のカメラは、阪本組常連の笠松則通だったんだけどね。今回は仙元誠三を引っ張り出してきたよ。
「このミス1位の原作」てなことを売りにしてますがね、これはもう確実に「優作的な何か」がやりたい映画であることは間違いない。
だったら村川透を担ぎ出せよ。

現代の設定であるはずなんですが、映画はまるで70年代。
特に台詞ね。
ヒドイよ。臭いよ。
家で飯食いながら観てたらブブブブーって吹き出して薄型テレビを米粒まみれにしちゃうぜ。食べ物粗末にしちゃいけないね。
はっきり言ってお薦めはしないよ。

でもねえ、なんだか好きなんだ。
粗っぽいつなぎと不親切な阪本節は元から好きなんだが、仙元カメラがタマらない。
何だろう、画面が生々しいというか、カメラが息してるみたいなの。
たまんねーな。
久しぶりに「俺、今、映画館で映画観てる」って感覚になったもん。

余談

個人的には、もっと都会的で近代的なサスペンスが見たいんですよ。
旧家の怨念とか古びた洋館とかも好きなんだけど、都会ならではのミステリー、都会という設定でしか成立しないサスペンスが見てみたい。
『行きずりの街』というタイトルからは(原作は未読だが)都会派サスペンスの要素がありそうな気がしたんだけどなあ。
都会ならではのサスペンスって、『裏窓』しか観たことないぞ。

2010年11月20日公開(2010年 東映)

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