May 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

裏窓

監督:アルフレッド・ヒッチコック/TOHOシネマズ六本木(再鑑賞)/★5(90点)本家

男と女の『裏窓』
10年以上ぶりの再鑑賞だが、実はスクリーンで観るのは初めて。午前十時の映画祭とデジタルリマスターに感謝。
犬のクダリで、人々が部屋の明かりを付けて顔を出している中、犯人の部屋だけが暗いと認識していたのだが、暗い中にタバコの火が見えるのな(私の見落としか認識違いだけだったかもしれないけど)。

サスペンスの手練手管はもちろん、室内からカメラが一歩も出ない実験野郎ヒッチ先生の本領発揮作品なわけですが、男と女の物語として見てもヒッチ先生らしい面白さがあります。

アメリカの良心=ジェームズ・スチュワートとクールビューティー=グレース・ケリーの主人公二人は言わずもがな、窓から見える各部屋も「男と女の物語」なんですね。
新婚、長年連れ添ったらしき夫婦、孤独、出会い。ありふれた男と女の関係の中に、憎しみと殺人があるんです。

ま、「憎しみ」と書いたものの、そこは一種のマクガフィンで、殺人の動機は何も明らかにされないんですよ。
これがミステリーとサスペンスの大きな違いで、ミステリーは犯行動機が明らかになる過程が面白いんですが、サスペンス的には動機なんか何でもいいんですね。

で、「男と女の関係」ですが、主人公二人は結婚するのしないのグダグダやってるんですよ。
この辺がヒッチ映画で眠くなる所なんですが、しかし「セレブの君に冒険は似合わない」(実際にはそんな言い方じゃないけど)という彼の言葉が彼女に冒険をさせるんですね。
そして、その冒険が、結婚前の二人が結婚指輪を探すという物語になるんです。
(既にcinecine団さんが的確に言い当てていますが)プロポーズしてくれない彼に、指にはめた結婚指輪を見せる。そしてそれが犯人に気付かれドラマが大きく動き出す。もう鳥肌が立つほど見事なシーン。

こうしてスッタモンダの果て、窓の向こうの人々の生活(男と女の関係)は、なんとなくハッピーエンドを迎えたように見えます。
そして主人公達はというと、彼の好みに合わせて山登りの本を読んでいた彼女は、彼氏が寝ている隙にファッション誌に替えたりするのだ。
それが、男と女の『裏窓』。

(1954年 米)

comments

   

trackback

pagetop