September 2019  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

ランボー

監督:テッド・コッチェフ/DVD(再鑑賞)
★4(70点)本家

『ランボー』は『タクシードライバー』の真逆の物語だ。(『タクシードライバー』のネタバレあるよ)
リアルタイムで公開当時に映画館で観て以来、実に28年ぶりの再鑑賞。
リアルタイムで鑑賞するのと違って、古い映画の後日鑑賞は歴史的に俯瞰で眺められる楽しみがある。

ベトナム帰還兵物というと、ベトナム戦争終結後3年で製作された『タクシードライバー』(76年)、5年後に製作された『ディア・ハンター』(78年)が有名だが、82年制作の本作品、初作『ランボー』も忘れてはならない。

ベトナム戦争終結後10年近く経っており、やや旬を逃した感もあるが、実は帰還兵の問題がクローズアップされた時期なのかもしれない。実際のところは知らんけどな。
あるいは、アクション映画を撮りたいための“方便”でベトナム帰還兵を持ち出しただけかもしれないけどねー。

いずれにせよ、ベトナム帰還兵のPTSD(この当時、少なくとも日本にはそんな言葉は無かったが)に起因する物語として、『ランボー』と『タクシードライバー』の設定は似ている。
似ているというよりも、“表裏”の関係と言えるかもしれない。

『ランボー』のランボーは、なんだか分かりにくいな、『First Blood』のジョン・ランボー(以下ランボー)は、見た目怪しい浮浪者だが、実は至って真っ当な神経の持ち主である。
一方、『タクシードライバー』のトラヴィスは、一応定職もあり世間的には真っ当な市民に見えるが、実はアレな人である。
ランボーは優秀な軍人だったようだが、おそらくトラヴィスは一兵卒だったのだろう。

真っ当な神経の持ち主のランボーが理不尽に追い詰められる様は理詰めだが、アレなトラヴィスは論理もヘッタクレもなく、筋の通らない理屈でアレになる。
そのため、ランボーは意図的には殺さないが、トラヴィスは明確な意志を持って殺人に向かう。
その結果、ランボーは犯罪者として逮捕されるが、トラヴィスはむしろ英雄扱いされたりする。

これらの“表裏”の関係は、映画そのものの方向性にも現れている。
『タクシードライバー』は人間の内なる狂気の物語だが、本作『ランボー』は社会に対する怒りの物語である。

ベトナム戦争の戦後処理と不況で疲弊した70年代アメリカが、80年代に入り「強いアメリカ」に転身していく。
そうした時代を体現した映画『ランボー』。

ん?俺、『ロッキー』でも似たようなことを書いてるな。

(1982年 米)

comments

   

trackback

pagetop