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ああ爆弾



監督:岡本喜八/DVD(再鑑賞)/★4(88点)
本家

公開時2本立て興行のB番組で、メイン興行は『砂の女』だったんだってよ。どんなカップリングじゃ。
「『ロバと王女』みたいなバカバカしいミュージカルが観たい」という気分になって、ずいぶん以前に録画したDVDを引っ張り出して再鑑賞。
久しぶりに観たら、バカバカしさよりも「なんだか凄い」感の方が強い。

「スラップスティック・和製ごった煮ミュージカル・コメディー」とでも表現しようか。
伊藤雄之助は邦楽で中谷一郎は洋楽が当てられてんだよね。それも結構多ジャンル。
しかも振付師はいなかったらしい。
全部、岡本喜八の絵コンテ通りに撮られたとか。

後にも先にも岡本喜八にしか撮れない世界なんだが、岡本喜八は「アクション・コメディー」と「ミュージカル」指向があって、その両方の、それも極端な部分が出た作品なんだと思う。(「西部劇」と「戦中派」というのも岡本喜八のキーワード)

それもこれも、B番組に降ろされたから、やりたいことをやりたいだけやったんでしょうよ。

この前作『江分利満氏の優雅な生活』が
「サラリーマンの悲哀物を撮れって言ったのに、誰が戦中派の悲哀を撮れって言った!変化球ばっかり投げやがって!」
と怒られて降格。
それで本作を撮ったら(次に『血と砂』があるんだが)、
「脚本がふざけすぎてるから少し他人の脚本で撮れ。カッチリした脚本にお前の変化球は合うかもしれない」
と言われて橋本忍脚本作が2本続く(『侍』『大菩薩峠』)。

んで、少し信頼を回復したのか自らの脚本で撮らせてもらった次作『殺人狂時代』が、やっぱり気に入られなくてオクラ入り。
それでケンカして「東宝らしい作品は何か?」と問われ、
「(現在企画中の)小林正樹の『日本のいちばん長い日』は絶対にやるべきだ」と主張したところ、
「小林正樹やらないからお前やれ」ってんでお鉢が回ってくる。
でもそれは「自分の戦争映画」じゃないから、東宝から離れてATGでの『肉弾』制作に至る。

岡本喜八全盛期の60年代、彼の作品はつながっているんだ。
今にして思えば、それは岡本喜八にとって、恵まれたことだったのか、不幸だったのか・・・。

(1964年 東宝)


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