November 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

NINE


監督:ロブ・マーシャル/ユナイテッドシネマとしまえん/★2(30点)本家公式サイト

『8 1/2』の0.5増なのに『8人の女たち』ほどウヒャウヒャ感がない。『黒い十人の女』の1/10ほどしか翻弄感もない。
『8 1/2』をベースに作った映画かと思ったら直接的には違うそうで。『8 1/2』をベースにしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化だとか。

そんなわけで別物と思いたかったのですが、いくら『8 1/2』じゃなくて「9」だ!『道』じゃなくて「裏道」だ!と言われたところで、あれだけグイドグイドグイドグイド言われたら、黒眼鏡に帽子で風呂に入ってるマルチェロ・マストロヤンニしか浮かばないわけじゃないですか。

たぶん、アメリカ人は『8 1/2』を知らないという前提でリメイクされてるんだよね。
レンタルビデオ屋で『8 1/2』を注文したら『ナイン・ハーフ』が出てくるというギャグを二度も見たことがあるよ。たしかウディ・アレンとケヴィン・スミスじゃなかったかな。
それくらいアメリカ人は知らないから、高を括ってイタリアで同じ時代の設定にして、中身だけアメリカ人に理解出来るようにすり替えてるんでしょ。別に現代アメリカだって通用する話じゃない。何も映画監督じゃなくて、作家だって画家だっていいわけでしょ。むしろ画家とモデルの方が話が組み立て易いと思うけどね。
よくもまあ恥ずかしげもなく上っ面だけリメイクしたこと。
『THE LAST PRINCESS』より恥ずかしい。

そもそも、奇跡のヘタウマ監督=フェリーニの作品は一人歩き出来ないんですよ。

これは、黒澤映画のリメイクがオリジナルを超えられない、というのとは訳が違うんです。
ストーリーが面白ければソコソコの映画になって「でもオリジナルには負けるよね」ってこともあるけど、フェリーニはお話が面白いわけじゃないからね。
「なんだかワカンナイけど凄い」という、言わば映画の神様が降臨したキ●ガイ映画だから。そんなもん負け戦以前の問題ですよ。「フェリーニが面白くした映画」じゃなくて「フェリーニだから面白い映画」なんだから。作品だけ一人歩き出来るわけがない。

あとねえ、役者はそれぞれいいんだけど、正しい使われ方をしてるとも思えない。
ダニエル・デイ・ルイスは似合ってたけど、もっと活かせるよね。もっと女達に振り回されてほしいよね。
『シカゴ』のリチャード・ギアもそうだけど、この監督、男の扱い下手だと思うんだ。
あと、オッパイぽろりペネロペちゃんがオッパイぽろりしてないよね。てゆーか、このペネロペちゃんは少し前『コレリ大尉のマンドリン』頃のイメージじゃない?モンロー的な馬鹿だけど可愛い女のイメージはとうの昔に超えて、最近じゃ京マチ子的最強女優になってるのにさ。むしろ男を振り回す側の女優だよ。

あと、ミュージカル自体が平凡。
それでも『シカゴ』は魅せるミュージカルシーンがあったけど、あれは監督じゃなくてボブ・フォッシーの影響だったんだな。だいたいさあ、ミュージカルでもない『8 1/2』があれほど高揚感があるのに、ミュージカル化したら高揚感ゼロってどういうこと?

あー、オリジナルとの比較で文句言うつもりじゃなかったのにぃ。

日本公開2010年3月19日(2009年 米)

comments

   

trackback

pagetop