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ゴールデンスランバー


監督:中村義洋/新宿バルト9/
★4(82点)本家公式サイト

ゴールデンスランバーからロックへ。学生時代から今へ。いろんなものがつながっている秀逸なファンタジー。またしても中村義洋はいろんなことが分かっている。
前作『フィッシュストーリー』では、世界一困り顔が似合う女優=多部ちゃんに期待通りの困り顔をさせた中村義洋。今回も素晴らしく“分かって”いるようで、中でも永島敏行の扱いがサイコー。ショットガンぶっぱなして小首をかしげる永島敏行なんて超面白い。
あと、どうでもいい話なんだけど、劇団ひとりの彼女役がソニンってのも可笑しい。これ、タモリがよく言うギャグで、大沢あかねとソニンがユニット組んで歌うたったことすら忘れられてる今じゃ大変分かりにくい冗談なんだけどね。

中村義洋による“稀代のホラ話作家”伊坂幸太郎3部作。いやまあ4作目もできるかもしれないけど、「これでいったん打ち止め」と本人が言ってるから、一応。
この3作で一貫しているのは、“つながっているファンタジー”なんだと私は思うのです。
伊坂原作には比較的そうした話が多く、映画的には「伏線の回収」という大変映画的な手法として活かされるわけです。
時間や空間を超えた“つながり”(時として顔をあわせることすらない)が、この映画最大の“ファンタジー”。
もはや事件そのものは設定としてのある種の「記号」に過ぎず、大きな意味すら持たないのです。事実の解明や汚名返上などはどうでもよく、ただそこにある“つながり”だけが真実なのです。

学生時代の想い出「ゴールデンスランバー」。彼らにとって「黄金のまどろみ」は学生時代だったに違いありません。そしてそれは、我々多くの観客にとっても同様なのです。
しかし残念ながら、彼らにとって(我々にとっても)「黄金のまどろみ」はあまりにも短く、そのまま眠ることも許されず、社会の中で覚醒させられてしまうのです。

余談

この原作は未読ですが、『アヒルと鴨〜』にしても『フィッシュストーリー』にしても、原作の面白さだけでなく、“画面”で魅せる面白さを中村義洋は分かっていると思う。

余談2

中村義洋にとっての濱田岳は、大林宣彦の尾美としのりみたいなものなのかなぁ?

2010年1月30日公開(2009 アミューズ=東宝他)

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