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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>




監督:パーシー・アドロン/渋谷ユーロスペース/★4(70点)本家

20周年記念ニュー・ディレクターズ・カット版を鑑賞。「ベガスのショーよりすごいぜ」とベガスのショーを見ることのない層の人間が言う映画。20年前でなきゃ分からない空気があるのも事実だが、20年前の俺には理解できなかったのも事実。
有名な映画であることは知っていたが、何の情報も持っていなかった。
見始めてから「ドイツ映画なんだ」と気付いたぐらい。冒頭からドイツ映画のトーンだよね。見終わって調べたら西独映画だったよ。
正直、何がいいんだか説明できないんだけど、なんだかいい映画。ちょっと泣いちゃったけど、どこが泣きポイントなのか自分でも分からない。

移民の国アメリカの片田舎を舞台に、登場するのは元々奴隷としてこの国の住人となった黒人と移民に土地を奪われた先住民。ラスベガスのショーなんか一生見ることができない下層生活の人々。そこへ訪れる異邦人。
典型的な鶴の恩返しパターンと見せかけて、多くの方に不評の“戻ってくる”パターン。
ここには20年前でなきゃ分からない空気があると思うんです。

一つには、女性同士の友情を描いた先駆的な映画であること。20年前なら先駆的なジャンルだったと思う。
そしてもう一つ、ベルリンの壁崩壊がこの映画の2年後であること。
当然、壁は突然崩壊したわけではなく、東側の政策緩和などもあり、この映画の製作時点でドイツでは東西統一の機運が少しずつ起きていたのだと思う。

この映画は異文化交流の物語ではない。
「異文化“融合”の物語」と気付いた時に、なんだかすごく懐の深い映画のような気がした。

(1987年 西独)

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