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インフォーマント!

監督:スティーブン・ソダーバーグ/恵比寿ガーデンシネマ/
★3(57点)本家公式サイト

どこにキャッチャーミットを構えていいか分からない映画。あ、ワザとやってるんだ。
いきなり結論というかネタバレなこと書きますけど、主人公が周囲を翻弄させるのと同じように、監督が観客を翻弄している映画だと思うのです。

その第一要因が、サザエさんみたいなのんきな音楽。観ている側はすっかりコメディーにミットを構えるわけですが、決してコメディーじゃないんですね。いやまあ、見方によっては事実自体がコメディーみたいな話なんですがね。
コメディーノリに騙されて、「ちょっと間抜けな主人公が不正を暴く話」と思って主人公目線でストーリーを追うわけですよ。すると知らぬ間に登ったハシゴを外されている。暴漢襲撃自作自演を画面で見せることで観客に決定的に植え付ける。あら、今まで追っていたものは何だったんだろう?とFBIと同じような感覚に陥る。
じゃあ、社会派告発映画かと言うと、サザエさんみたいな音楽で気持ちが削がれる。
じゃあ、一人の男の生き様映画かというと全然違う。
そこにソダーバーグ独特の「どこがポイントだか分からない演出」が輪をかける。
もはや何がなんだか。何が正義なんだか。

これ、たぶんワザとやってるんだと思う。
いやまあ、「どこがポイントだか分からない演出」ってのはいつものことだけど。
「こんな変わった男がいました」ってことが主眼なら、最初からそう分かりやすく観客に伝えるべきだし、語り部としての第三者視点で話を進めるべきだったと思うし、たぶん誰でもそうしたと思う。
だが、そういう選択を避けた。ミステイクではない。ミスリードを狙った意図的なものとしか思えない。

これは裏『エリン・ブロコビッチ』なのでしょう。
『エリン・ブロコビッチ』の2000年当時、まだ「正義は勝つ」と信じられていた時代だったかもしれない。
ですが、今は「もはや何が正義なんだか分からない」時代なのかもしれない。
そんなソダーバーグの思想の一端が垣間見える。

そしてソダーバーグは、マット・デイモンの幼児性を拾うのが好きだよね。

日本公開2009年12月5日(2009年 WARNER BROS)

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