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陽のあたる場所

監督:ジョージ・スティーヴンス/BS/★4(75点)/再見↓/gooDB

まるで溺れる者のごとく、もがき苦しみながら観た若かったあの頃。
10年以上ぶりに見直してだいぶ印象が変わる。

基本的な解釈は変わらない。タイトルが全て。

ジョージにとって上流社会が「陽のあたる場所」であり、アンジェラが「陽のあたる場所」。
そしてアリスにとってはジョージこそが「陽のあたる場所」だったのだ。なんと悲しい。なんとせつない。

2度ほど印象的にカメラがゆっくりと前に進むシーンがある。
初めて女の部屋に泊まるシーン。アンジェラに誘われ踊り始めるシーン。ジョージの運命がゆっくりとそして静かに動いていく。

一方、アンジェラは「陽のあたる場所」しか知らない人間だ。
だから能天気に「駆け落ちしましょう。何とかなるわ」なんて事を言えたりする。
そんな彼女には演出上でもほぼ常に光が当たっている。
ただ最後、男が逮捕される直前に別荘の前で分かれるシーン、彼女は溶けるように影の中に消えていく。
彼女は初めて現実の世界で影を知るのだ。

若かった頃は「『太陽がいっぱい』と並ぶ悲しい男の物語」などとジョージに感情移入して観たものだが、自分がどの程度の者であるかが見えてきて野心なんか無くなったこの歳になると、3人共それぞれ理解できる。
むしろアリスに感情移入していたりする自分がいる。歳とったもんだ。

(1951年米)2時間2分


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