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キル・ビル vol.1

監督:クエンティン・タランティーノ/新宿ジョイシネマ1/★3(59点)gooDB公式サイト

タランティーノのやりたいことはよく分かるが、いろいろネタ元が明らかになるにつれ、逆にタランティーノ自身のスタイルってもんが見えなくなってきた。
いやー、笑った笑った、涙流して笑った。
そもそも私はカタコトの日本語に弱い。 ルーシー・リューよ、イチモツがどうしたって?(いきなり下ネタかよ)。
一番笑ったのは、恐らく一年中で一度も窓ガラスが曇らないであろう沖縄でユマ・サーマンが来ていたTシャツ。呑気な観光客かよ!

正直もっとチープなもんだろうと思っていた。まあ、大方の世間評通り「B級の集大成」ってことなんでしょうが、タランティーノの中にある「カッコイイ」基準が明確で明快なので、あまり安っぽく感じられないし、観ていても面白い。

そもそも私は「マニア」の話を聞くのが好きなのである。
最近はすっかり本来的な意味を見失って「オタク」と呼ばれることが多いが、その「広義のオタク」の話は実に面白い。例えば私は鉄道に関しては全く知らないが、テレビでタモリが嬉々として鉄道の話をしているのを見るのは楽しいものだ。だから、タランティーノの「趣味的世界」も非常に楽しんだのである。
もっとも、その「語り口」が面白くないとどんなマニアな話でもつまらないのだが。

と、ここまでは5点級の誉めっぷり。

「日活無国籍映画タランティーノ風味」とコメントしようと考えふと気付く。「タランティーノ風味」って何だ?

元ネタはあちこちで披露されているから詳細は省くが(『レザボアドッグス』まで香港映画のパクリとは知らなんだが)、ここで分かってくるのは、彼の才気は「面白さ」の「切り取り」とその「再現」(語り口も含めて)なのではなかろうかという事だ。

私は真似ること自体を否定しているわけではない。「学ぶ」は「まねる」から生まれるのだから。だが、カウリスマキが小津を消化しカウリスマキ的世界として昇華しているそれと、タランティーノのそれは明らかに違う気がする。 カーペンターにしてもサム・ライミにしても、それこそ「真似」の大御所デ・パルマにしても、自分のやりたいことをやってるだけにもかかわらず「オーッ!来た来た!これが奴の世界だぜ」ってもんがあるじゃないか。

つまり、「タランティーノ・ワールド」なんて最初っから存在しないのではなかろうか。

タランティーノ監督作全部観ているが、振り返ってみれば、奴は「プロ級に巧いコピー・バンド」の域を出ていない気がする。だから観終わって何も残らない。逆に言えば、何も残さないのがスタイルか。

日本公開2003年10月25日(2003年米=日)


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