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ミニモニ。じゃムービー お菓子な大冒険

監督:ヒグチしんじ/DVD/★4(68点)公式サイト

ピクサーに勝るとも劣らないハイレベルなファミリー・アニメーション!
ネタバレなしで熱く語る!

「矢口真里が好き」な私でもさすがに恥ずかしくて映画館に行けず、DVDを買ったはずが間違ってメイキングを買ってしまい、まごまごしているうちに店頭から消え、レンタル屋でも見かけないし、おそらく生涯で唯一の「矢口真里主演(か?)」作品をこの私が見逃すとは!!!とオロオロしていたところ、5歳年上(だから40歳のはず)の職場の先輩が「俺持ってるよ」とあっさり貸してくれたおかげで観ることができた一品。

先輩にひとことお礼を言わなければなりません。「40歳にもなってこんなもん買ってんなよ!」

監督のヒグチしんじは言わずと知れた現在日本最高の特撮屋樋口真嗣。
元祖特撮『ゴジラ』シリーズが円谷の幻影に引っ張られて室内撮影そのまま閉塞感満載の折、本来特撮怪獣物の亜流のはずの『ガメラ』(平成ガメラシリーズ)に於いて、大胆にもオープンセットで自然光を取り入れるという荒技をやってのけ完全に本家を駆逐した樋口真嗣である。

『とっとこハム太郎』のCG監督(たしかミニハムズのシーンがCGだったと思う)をした関係で「ミニモニ。」映画の監督をすることになったのだろうが、初監督作品がこんな映画でいいのか?しかもナッチ主演の『仔犬ダンの物語』のおまけみたいな併映作品でいいのか?

多分よかったのだ。
かつて岡本喜八が「どうせおまけの併映だから」と好き勝手やって『ああ、爆弾』という名作(迷作?)を生み出したのと同様、気楽な立場で好きに作った結果が面白さにつながったのだ。
全編CG&合成(1カットだけ手を加えていない箇所があるそうだが)ばかりでなく、『オネアミスの翼』の助監督や『エヴァ』の絵コンテも行った本来「アニメ屋」の血が騒いだか、3Dにまぎれた2Dアニメ、出崎統ばりの止め絵とマニア向けサービス満点。
これはもう立派に「樋口真嗣にしか作れない作品」に仕上がっている。
きっと『ピストルオペラ』の特撮をやった経験も生かされているだろう。いや、鈴木清順演出は参考にならないな、きっと。

ではマニア(アニメ、特撮、ロリ総て含めた意味で)映画かというと、決してそんなことはない。
「ミニモニ。」の主なターゲットである小学生を、そして一緒に来た親を満足させるに充分な53分。
むしろ完璧なファミリー映画だ。
ピクサーと肩を並べると言っても過言ではない!(と言ってるのは多分俺だけだ)

ピクサー作品と異なる点は、まず「世界視野」ではないこと。
これは逆に、「ミニモニ。映画」という規定の中で、欲をかかず忠実にそのターゲット層を押さえた作りをしたことを評価すべきである。

そして、最大の相違点であり最も評価すべき点がある。
ピクサー作品がオモチャや怪物や魚達を「擬人化」し、よりリアルに(でもかわいらしく)見せることに主眼を置くのに対し、本作ではミニモニ。を「戯画化」することに主眼を置いている。
それはミニモニ。をさらにちっちゃくしてCGにするといった意味ではなく、リアルなミニモニ。つまり生身のヤグチやミカやツジ・カゴを「漫画的記号論」によって描写しているのである。

映画の面白さは人間の苦悩や成長といった「人間描写」に負う所が大きい。
そのために役者は、なんとかメソッドとか言いながら、その感情をよりリアルに観客に伝えるために演技を磨いているのだ。そういった意味で言えば「擬人化」の方が正しい手法なのだろう。
だが、しつこいようだが、本作は「ミニモニ。映画」という企画物だ。演技に関しては素人集団、有体に言えば下手っぴいなのだ。
どんなに矢口真里が可愛かろうが、どんなに矢口真里が好きだろうが、下手なものは下手。そこに見え隠れするのはバラエティー色、つまり「ハロモニ」のコントレベルでしかない(<見てんのかよ)。
そんな状態に中途半端なドラマ性を持ち込まれても「白々しさ」か「気恥ずかしさ」しか感じられない。

それを樋口真嗣は「戯画化」によって見事に払拭したのだ。
さらに「国内ターゲット」であることが功を奏する。あえてゼロから物語を構築する必要はない。既に確立している「ミニモニ。」というキャラクターをそのまま利用すればいいのだ。

そこに「ミニモニ。」と「CG」があればいい。

そんな開き直りが清々しい。


(以下、本家未掲載)

DVDを貸してくれた先輩に上記のレビューをそのままコピーして送ったところ、
「モーヲタの戯言」と題した以下のような返事をいただきました。

「こんなもん買うなよ」って言われても、しょうがないじゃん、観たかったんだから(笑)。
最近特に辻希美にヤラレっぱなしのアタクシとしてはね。
「いやぁ〜、ののちゃん、しばらく見ないうちにすっかりオトナっぽくなっちゃって」と、すっかり親戚の叔父さん状態。
ハロモニ?あぁ、見てますとも。それがなにか?

と、日々モーヲタ街道驀進中のこの頃ですが、来春の安倍なつみ卒業で6年間続いた長寿番組「モーニング娘。」の最終回になってしまうのだなぁ、とちょっとブルー。

「アサヤン」という疑似ドキュメンタリー番組から始まった「〜娘。」という物語のドラマツルギーは何かと問われれば、やはり彼女達のサクセス・ストーリー、ビルドゥング・ロマンスであり、その物語世界に於いては彼女達の歌はすべて挿入歌であり、ステージは劇中劇である。
プロデューサーのつんくでさえも登場人物の一人にすぎない。さしずめ「月影先生」か「宗方コーチ」といったところか。
では、「北島マヤ」「岡ひろみ」は誰かといえば、やはり安倍なつみをおいて他にないだろう。
ときに挫折し、強力なライバルにエースの座を奪われながらも、夢の実現にむけて一歩一歩努力を重ねてきた安倍。ときには反発しながらも、いつもそばで支え合い、ともに成長してきた飯田、矢口。一人ずつ卒業していく仲間達を、ときには笑顔で、ときには涙で見送ってきた娘達。まるで「大映ドラマ」のようなベタな展開。

「ぶっちゃけた話、マンガですわ。」そのとおりだよ、辻ちゃん!

「モーニング娘。(またはハロプロ)」は「宮崎アニメ」や「たけし映画」と同様に、それ自体が既にひとつのジャンルであり、だからこそハマるのであり、6年間のドラマの蓄積が他の追随を許さないのである。

そんな大河ドラマが1つの終焉を迎えるのは寂しい限りではあるが、来春のハロコンでは卒業メンバーみんなが帰ってきて、安倍なつみを囲んで「愛の種」を歌う、みたいな大団円を期待してしまうのであった(涙)。

まぁ、その後も「続モーニング娘。」とか「新モーニング娘。」とか「まだまだモーニング娘。」とかが続いていくのではあるが。

P.S.「間違って買ってしまった」メイキングDVD貸してね。


えーっと・・・今度持っていきます。

2002年12月14日公開(2002年日)53分


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