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穴の牙

監督:鈴木清順/渋谷ユーロスペース/★4(61点)

かなりレアな作品だが、かなりアレな作品でもある。
なんでもかなりレアものらしい。

“日曜恐怖シリーズ”という関西テレビ=大映企画=大映京都が製作したテレビドラマ(1978年〜79年放映)の1本だそうだ。
人気がありゃ何度も放映したりビデオ化されたりしてるのだろうが、見ている奴なんざほとんどいない(どうやら青山真治は再放送で見たらしい)。
おまけに大映京都が潰れちまったもんだからさあ大変。制作されたという記録だけが残っていて現物が見つからない。
関テレに聞いても分からない、大映に聞いても分からない。ワンワンワワン♪
それが角川大映の倉庫からこの1本だけ発掘されニュープリントで23年ぶりに上映されたという次第(このシリーズは中川信夫監督作品も何本かあるらしいのだが、それは発掘されなかったのだろうか?)

今回「弘高青春物語」上映に伴い「春桜〜ジャパネスク」「木乃伊の恋」「穴の牙」とレア物をいくつか観られ貴重な体験をしたのだが(レイトショーだったしお誘いなかったら行かなかったかもしれないが)、「大江戸捜査網」も1本監督してるんだよなあ。見たいなあ。
あと、もう二十年も昔だと思うが、小堺一機と関根勤のテレビ特番の中で、この二人のみ出演で鈴木清順監督の「四谷怪談」(約5分の短編)を間違いなく観ているのだが、どこにも記録がないんだよ。かなり壊れてるんだけどね、もう一度観たいなあ。

さらに大和屋竺脚本ってのが、意外にも貴重なんですよ。
明らかに清順組の人で(若松組(出口出名義)でもあるが)『殺しの烙印』の脚本具流八郎の一員ではあるんだけども、清順監督&大和屋脚本って実は『悲愁物語』と『カポネ大いに泣く』くらいしかない(『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』は共同監督)。
あ、「木乃伊の恋」で出演してるか。

そんなわけで、かなりレア物なんですけどね、それで喜んでいるのは清順マニアぐらいのもんで、普通の人がみたら「何じゃこりゃ!?」ってなもんですよ。
いや、まあ、清順マニアが観ても「何じゃこりゃ!?」なんですけど、清順マニアはこの「何じゃこりゃ!?」感が好きだったりするんです(俺だけか?)。

少し真面目に語りますと、普通「全景」→「細部」って描写をするもんなんです。
「舟に乗ってる二人」→「会話する顔」とかね。つまり人物の位置関係や場所等の情報を観客に与えてから本題に入る。これが常識なんですけどね。
鈴木清順はこれが「無い」あるいは「逆」。
それが極まれりってのが、『ツィゴイネルワイゼン』の前年に作られた本作で、「脂がのっている」と言っていいもんなんだかどうか分からないが、キレまくっている。

「誰がどこでしゃべってんだよ!」シーン続発。
「その黒子なんだよ!」
「弾が出てきたことに意味あんのかよ!」
「しかも3回まわった意味あんのかよ!」
まさか「3回まわって」→「ワン」なんてオチじゃねーだろーな。

んー、何ていうか、アレだよなあー。

(1979年日16mm作品)


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