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浮き雲

監督:アキ・カウリスマキ/VTR/★5(84点)gooDB

徹底した直接描写の排除は笑っちゃうほどツボ。涙が出るほどツボ。
ラストシーン。空を見上げる主人公達。
おそらくこの映画で唯一、主人公達が顔を上げるシーン。
おそらく唯一、カメラが上から見下ろすシーン。このワンショットに込められた希望の光。

間違いなくハッピーエンドなのだが、ノーテンキに喜ぶような真似はしない。

すっかり「不幸」がクセになってしまったせいか、むしろ戸惑っているようにさえ見える表情。
そして、普通そこにあるべきはずの「見上げた先」つまり「空」を写したショットがない。
おそらく他の監督にこのシーンを撮らせたら、ほとんどの人は「空に浮かぶ雲」で映画を締めくくるだろう(なにしろ『浮き雲』なんだから)。
だがそれではいけないのだ。それではノーテンキなハッピーエンドになってしまう。
監督は意図的にそれを避けている。希望の光は見えても、それは結末ではない。

小津を目指した監督は大勢いたが(そして成功した作品も多数あるが)、小津の「進化系」を見せてくれるのはカウリスマキしかない。

P align="right">(1996年フィンランド)1時間36分


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