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修羅雪姫

監督:佐藤信介/DVD/★3(45点)公式サイト

鳥肌がたつような川井憲次の音楽に嶋田久作の形相。
釈由美子も素晴らしく良いが、映画としては素晴らしくダメ。監督の落ち度。

私はかねがね「女優ってのは少しプッツンしている方がいいんじゃないか」と思っている。
桃井かおり、秋吉久美子、大竹しのぶ、あまり誰も言ってくれないが藤谷美和子もいい女優だし斉藤由貴もそうだ(とりあえずこれしか思いつかなかったが、あとは各人適当に思い描いて下さい)。
演技は頭で考えるものではなく身体が自然と受け入れるものだからだろうか(<「ガラスの仮面」の読みすぎ)。
私はここに釈由美子を加えたい。いや、加わって欲しい。残念ながら『ゴジラXメカゴジラ』は未見だが、テレビドラマの釈由美子もなかなか良いのだ。

アクションや音楽、そして役者陣が良い(伊藤英明を除く)が映画としてはダメだというのは多くの方がご指摘の通りだが、その原因については私は意見を異にする。「話がお粗末」なのではなく「描写がお粗末」なのだと思うからだ。

予算が無かったことは容易に想像がつく。
わざわざガソリンスタンドを舞台にしながら爆発させないなど端的な例だ。炎のオープニングはただカッコよかったからだけかよ。
しかし金が無いなら無いなりに知恵を使うことはできたはずだ。アクション以外の描写に具体性が無さ過ぎる。

監督やら脚本家やらプロデューサーやらが寄ってたかってストーリーは出来上がる。だから(多くのハリウッド映画がそうだが)作家性の強い映画でない限りストーリーに破綻がないのが普通だ(kionaさんがご指摘の通り、能動から受動への違和感、疑似親子関係の希薄さ等、ストーリー上の問題点はたしかにあるが)。
二人が仕事をしながら心を通わせ始めるのはお約束。
だが、そこにも小さなエピソードくらい欲しい。
例えば、釈ちゃん格闘は強いけど結構ぶきっちょだなあハハハ・・・とかさ。おめぇら、ただドラム缶転がしてるだけじゃねーか。
小さなエピソードの積み重ねで人物像が膨らむのだよ。
松重、シマキューの演技力と雰囲気だけでは限界がある。人物の背負っているもの全部台詞処理かいっ!

「この国を出よう」と言われて、雪は嬉しかったろう。
そして初めてかけられた言葉に戸惑いもしたろう。
その想いがあったからこそ最後の戦いに実力以上の力が出せたのだろう重要な場面だ。
それを表情だけで見せるには、いくら釈ちゃんが頑張ったとはいえ限界がある。
もう少し演出とかエピソードとかでなんとかなったろうに。湖にたたずんで「嬉しいよ」はねえだろう。
あの片手を刺された重量感が演出できるなら、もう少し人物描写、感情描写に力を入れてもよかったろうに。
感情の爆発が伝わらなければ、流麗なアクションに高揚感は生まれない。


2001年12月15日公開(2001年日)


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