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ロード・オブ・ザ・リング

監督:ピーター・ジャクソン/DVD/★3(45点)本家公式サイト

原作未読、ドラクエもFFもやったことがない私がノルことは許されないのか?
画面の完成度の高さだけで3点付けたが、映画としてはどうよ?というのが正直な感想。

指輪をめぐる物語が完結していないからいけないと言っているわけではない。
大昔は連続活劇というのがあったらしいし、連続ドラマだって各話毎に起承転結はある。本作だって起承転結はある。
「指輪をめぐる物語」が続くのであって、この3時間に及ぶドラマはこれはこれで完結している。
従って、第2、3部がどうなろうと「第1部は映画としてはどうよ?」というのは変わらない。
根本的に、視点として主人公に感情移入できない。キャラクターの問題ではない。ましてや字幕とか吹き替えとかの問題でもない。
完全に構成の問題である。

この第1部は「主人公が事の重大さに本当に気付くまでの物語」である。
つまりこの壮大な旅の本当の目的は第1部が終了した時点でやっと提示されるのである。
それまでは「指輪が悪の手に渡ったら大変だ」というあまりに蒙昧とした理由で(制作者側もそれを察知して水鏡で映像化してはいるが)目先の目標だけを追って(逃げて)いるのである。極論すれば、本作の主人公は無目的のままウロウロしているにすぎない。
これは非常に感情移入しにくい。
だが回避する方法はあったはずだ。冒頭の解説さえなければ。

解説から入る映画ですんなり世界観に入り込めたためしはない。『スターウオーズ』は希有な例外だと言いたいが私は1点だから。
もちろん解説を頭ごなしに拒絶しているわけではなく、世界観を理解しようと一生懸命努力します。
でも冷静に考えれば「努力している」段階で世界観に入っていけてない証拠だわな。しつこいようだが字幕とか吹き替えとかいう以前の問題。

『時計仕掛けのオレンジ』にもっともらしい解説があったか?スピルバーグが一度でも解説から入ったことがあったか?

アバン・タイトル(メインタイトル前のエピソード)でいかに指輪が今日に至ったかという「映像」があってもいい。
だが、やはり「指輪の秘密って?力って?」という思いを短い時間でも観客に抱かせるべきだ。
そして観客は、解説によってではなく、物語の中で「主人公と一緒に」指輪の秘密を知っていくべきである(例えそれがどんなに説明台詞になろうとも)。
そうすれば、指輪の誘惑に負けそうになる者を「主人公と一緒に」驚きの目で見られたはずだ。
「主人公と一緒に」事の重大さに気付いていけたのだ。

分厚い原作を見事にまとめたらしい(未読だから)ことは、膨大な量のコメントから推察される。
だが「小説と映画は別物」というのが持論の私は「原作を手際よくまとめたかどうか」は評価の対象ではない(むしろ短編を膨らませて映像化する方が作家として創作意欲がわくと思うのだが)。
そして「原作を読んでいるか否か」はノレるかどうかとは別な話である(だってほとんどの映画は原作の存在すら知らなかったりするのだから)。
もし原作を読まなければノレないのならそれは単なる「ファン感謝祭」にすぎない。


日本公開2002年3月2日(2001年米=ニュージーランド)


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