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監督:若松節朗/TV/★3(58点)/再見/本家公式サイト

娘さんよく聞けよ山男にゃ惚れるなよ・・・というためだけに松嶋菜々子がいるわけではない。
ダム全景、放水シーン、その絵だけでも感心した。よく頑張った。だが今回再び観て若干点数を下げる。4点から3点に下げたわけだが、実質4.0点から3.8点にしたという程度である。
評価を下げた理由は、コメントでも多く見られる「松嶋菜々子は必要か?」という感想が横行している点にある。彼女がいらんから評価を下げた訳ではない。むしろ彼女の存在は必要だと思っている。彼女が上手いか下手かは別にして(いや、下手なんだけどさ)。もちろん興行的な理由もあったろう(彼女のドラマはいつも高視聴率だが、そんなにいいかなあ?)が物語上どうしても必要な登場人物なのだ。

これはダムをめぐる話だけではない。「松嶋菜々子が富樫織田裕二を許す物語」であり「富樫の贖罪の物語」でもある。贖罪の結果が許しなのである。この物語が根底になければ「なんで織田裕二はこんなに頑張ってるんだ?」という感想が横行していたろう。悪い奴からダムを守るなどという漠然とした正義感やお姫様を助け出すなどという子供じみた理由で戦っているわけではない。己自身のために戦うハードボイルドなのだ。それを「俺はかつて助けられなかった友人への償いをしているのだ」なんて説明台詞を吐かせずに、「彼は戻ってこないわ」と松嶋菜々子に言わせることで、逆に主人公の動機を明確にしているのである。それだけで松嶋菜々子は存在意義があるのだ。(上手いか下手かは別にして)

こんなことは私が力説するまでもなく自明なはずなのだが、それでも「彼女は要るか?」と言われてしまうのは、その描写がユルいからなのだ。主人公二人の、その背景の物語や人生を感じさせるだけの描写が足りないのだ。佐藤浩市にも中村嘉葎雄にもそれが欠けているから演技力のせいだけではないのだろう。脚本がいけないのか演出がいけないのか。そういった、表面的に描かれたもの以外が描かれていないことに不満を感じたのでちょっと減点。面白かったことは面白かったんだけどね。

公開2000年8月19日(2000年日)


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