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パピヨン




監督:フランクリン・J・シャフナー/BS録画/
★4(72点)本家

ジュ・テームとモナムールの国フランスは、島流しとギロチンの国でもあるのよ。ナポレオンの昔からつい最近まで。
記録によれば1977年までギロチンで死刑執行してたらしいんだ、フランスは。
(ちなみに東ドイツは、東西ドイツ統一までギロチン使ってたそうだ。)
そういうわけで、ギロチン発祥の地フランスは囚人の扱いも本当に酷かったそうですよ。
原作者は実際に囚人で、脱獄した人だそうで。

で、その経験に基づく原作が発表された1969年、フランスの囚人の扱いがどれだけ改善されていたかは知りませんが、少なくともギロチン処刑は現存していたんですな。
要するに、原作はギラギラした社会派告発本の様相を呈していたわけですよ。推測するに。

そして(当時世界中でベストセラー小説だったらしい)このフランスの話をハリウッドが映画化するわけですが、脚本にダルトン・トランボが名を連ねています。
かつて赤狩りの名の下追放されたハリウッド・テンの一人ですね。
そんな過去を持つダルトン・トランボが「自由とは何か」というテーマをギラギラと脚本化したわけです。
そしてこの映画の制作はベトナム戦争末期。
まさに時代が、「自由とは何か」ということをギラギラと問うていたのです。たぶん。

それをまた、蝶の入墨男に扮したマックイーンと眼鏡男子に扮したダスティン・ホフマンがギラギラと演じるわけです。
いや、ダスティン・ホフマンはギラギラ感を消した演技をギラギラとやってるんですが。
(眼鏡と違って入墨は作り直せないからね。自由に飛べる蝶を胸に刻んだ男、それも一生消えない、ということなのでしょう。)

この映画、シンプルなストーリーでありながら、実にギラギラした映画だと思うのです。我々日本人が後年鑑賞して考える以上に。

ただねえ、歳とるとあんまりギラギラしたのは胃がもたれて。

(1973年 米=仏)

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