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サマーウォーズ




監督:細田守/ユナイテッドシネマ豊洲/
★3(65点)本家公式サイト

都合良すぎる設定が巧く絡んでない。ていうか、巧く絡んでないから伏線にならずに都合が良すぎるだけに見える。「高校生」「夏休み」という設定さえ無ければ4点付けてもいいほど楽しんだんだけどね。
設定によれば剣道部だという美人で気さくな学校のアイドル先輩が、物理部というどの高校でも5本の指に入る“地味”な部活のさえない理系男子なんかに“恋人役”を依頼することが、そもそも都合の良すぎる設定だと思う。ま、いいんだけど。
そしたらその婆さんが“鎌倉の老人”だった(上田に住んでるけど)ってのも都合が良すぎるし、伯父さんが事態の発端だったり、甥ッ子がカリスマゲーマーだったり、その他諸々親戚の男どもが事態の収拾に都合のいい職業だったり、だいたい主人公がただのボンクラ男子じゃなくて天才的な数学の才能があったり。都合がいいことこの上ない。

いやまあ、映画ってそういうもんだけどね。
だけどそれが「巧い設定だなあ」「よく出来た伏線だなあ」と思えないのは、巧く絡んでないからなんだと思う。

例えば、解決への過程が、一人一人なんだよね。様々な伏線が一気に活かされるわけじゃない。
一人が倒した!と思ったら、また復活して、また別の誰かが闘う。これの繰り返し。
これって、逆じゃないかな?
ブルース・リーみたいに、主人公側が一人で次々と現れる敵を倒しながら登り詰めていく展開なら燃えると思うんだが。

そしてこの映画、仮想世界と現実世界がリンクする話なんだが、主人公も同じ状況に置かれるのね。
リアルな家族関係は両親が不在がちだという主人公が、大家族の一員というバーチャル体験をする。
その「つながり」こそが「武器」だ、ということなんだが、それ本当に巧く機能してるかな?
だって、“鎌倉の老人”と化した婆さんが認めたら家族の一員なんでしょ?あとは夏希先輩の胸算用一つじゃない?
これ例えば、ベタだけど逆なら成立すると思うんだ。
本当の恋人なんだけど家族の一員として認めてもらえず、真の家族の一員になっていく過程が事態の解決とリンクする。ワケノワカラン親戚どもが彼を認めて、協力するようになって、初めて事態が解決するべきだったと思うんだ。ベタだけど。
あと、高校野球だって特別有効に機能してないよね。

さらに個人的な希望を言えば、“高校生”の“夏休み”ってのは、「喪失と成長」があるべきだと思うんです。
戦いには勝つんだけど、引き換えに何か失うべきなんですよ。そして青い空と白い雲を見上げるの。それが大人への階段の一歩なんだ。
ぶっちゃけ、大正浪漫の時代から、夏の恋は成就しちゃいけねーんですよ!
ほっぺにチューされて鼻血出しましただぁ?ゴラァ!温泉わいてよかったねだぁ?
ほんと、よろしくお願いします。

余談

本当は楽しく観たんだけど、コメント書いたら悪口しか出てこなかった。
書きながら、リアルとバーチャルを描いた作品なら『アヴァロン』の方が数段上のような気がしてきたのだが、「いやいやいや、それはない。絶対にない。」とヨメに釘を刺されたよ。

2009年8月1日公開(2009年 日)

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