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ワン・ツー・スリー ラブ・ハント作戦




監督:ビリー・ワイルダー/BS録画/★5(90点)本家

冷戦を冷笑・・・どころか爆笑に変える国際色豊かな(?)ギャグマシンガン。満腹だ。
「タージ・マハルやシェイクスピアを生んだ社会も悪くない」といった台詞があったように思う。全然正確に覚えてないけど。すごくいい台詞だと思う。正確に覚えていないくせに。

以前も書いたような気がするが、ワイルダーの視点はドライである。
意外にウェットな話が多いのに、映画は決してベタつかない。
それはドライな視点で、「なんやかんや言っても世の中そう捨てたもんじゃないよ」という思想が根底にあるからだと思う。
そう、ワイルダーの映画はいつも「世の中捨てたもんじゃない」と思わせてくれるのだ。

え?この映画でどこがウェットになる要素があるんだって?
ワイルダーはユダヤ系ドイツ人で、ナチス台頭とともにドイツを捨てた人なんだよ。

余談(妙な因縁というか、ほんとにどうでもいい話)

この映画、MGMの吠えるライオンで始まるんだが、この頃のMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)は経営不振で配給はUA(ユナイテッド・アーティスツ)だったらしいのね。
UAという会社は、その昔(1919年)チャップリンやD・W・グリフィスら数名が立ち上げた会社。
で、そのチャップリンは、1950年前半ハリウッドで吹き荒れた赤狩りの影響でアメリカを捨てるんだ。

要するに、東西冷戦をあざ笑うこの映画、その制作約10年前にチャップリンがアメリカを去った時から共産主義の因縁を抱えてたわけ。まあ、因縁ってほどじゃないけど。

ちなみにMGMの最大のヒット映画は、劇中台詞でも出てくる(そして所長令嬢「スカーレット」の名前もそこからとっているかもしれない)『風と共に去りぬ』。ま、MGMっていうより世界最大のヒット映画だけどね。

さらに余談を続けると、UAは1981年に一度倒産しちゃうんだ。
原因はギネス級大赤字を出したマイケル・チミノ『天国の門』。
ロシア・東欧系移民の悲劇を扱ってアメリカ人の大ひんしゅくを買った映画。
映画の舞台は共産主義と無関係の時代なのに、アフガン侵攻・モスクワ五輪ボイコットの頃だったからなあ。

(1961年 MGM/UA)

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