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インスタント沼




監督:三木聡/テアトル新宿/★4(75点)
本家公式サイト

三木聡が時折みせる映画的瞬間、あるいは、無駄で無意味なことの重要性。
今まで三木聡の映画は「小ネタ集で映画というよりコント」という印象が強かった。
三木聡の繰り出す小ネタは予想外過ぎる所から繰り出されるが故、意表をつかれて笑ってしまうのだが、その反面、予想外過ぎて本筋と全然絡んでない=コント、という場合が多かった。
例えば本作なら「ドボルザークに似てる」などがそうだ(笑ったけど)。

だが、今回は少し違う気がする。
実に映画的なシーンが、いくつか見られたように思う。

例えば、蛇口をひねって走るシーン。
その無目的な映画的運動の面白さは、まるでゴダール『はなればなれに』。
ゴダールがルーブル美術館疾走でやった映画的運動の実験はストーリー上も無目的だったが、本作ではハナメの一つの転機になる。

例えば、ふせえりとの1カット自転車並走シーン。
映像でなければ絶対に表現できない手法。
ここでもまた、一過性のギャグに終わらず、気持ちの転機の一つになっている。

そして極めつけはオーラス。
沼に沈むようにジリ貧だったハナメが、上昇して終わるのだ。

ダメ人間を描くことが好きな三木聡は、最近どんどんダメ人間への温かい視線が増しているような気がする。
そしてこの映画は、うがった見方をすれば、ジリ貧の日本社会に対して「無駄で無意味なことでも一生懸命になれば光が見える」と言っているような気がしてならない。

だから私も、無駄で無意味に熱く「ぼくらの女神=麻生久美子」について語ろう。
ウソ。語らない。ウソ。語る。でも今回は語らない。なんだそれ?

余談

知らずに行ったのですが、ちょうど舞台挨拶直後の回で、たまたま入場待ちをしていた場所が関係者通路だった。
ふせえりを見て「生ふせえりだ!生ふせえりだ!」と(内心)興奮していたら、「お疲れさまでした〜」と会釈して通り過ぎる女性がいたので会釈したら、麻生久美子だった。
俺、麻生久美子に会釈した。生ふせえりに興奮していてちゃんと見なかった。

2009年5月23日公開(2009年 角川映画)

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