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バーン・アフター・リーディング




監督:ジョエル&イーサン・コーエン/新宿ピカデリー/★4(71点)本家公式サイト

『オーシャンズ』より分かり易いのに、『オーシャンズ』よりどこが面白いのか分かりにくい。知ってる知ってる。こういうイヤラシイことする監督、他にも知ってる。
くず配給会社=日活の宣伝ほどお馬鹿映画には一見みえないのだが、劇中「(この一件で)学ぶべきことはあるか?」という台詞通り、実際中身は全然ない。
それがコーエン兄弟の意図であることは明らかなのだが、前作『ノーカントリー』がアカデミーでもてはやされた直後にこういうお馬鹿なことをする「どうよこういうの」的なイヤラシさ。
知ってるぞ。同じことやった監督。『それから』で黒澤明を押さえてキネ旬1位とった直後に『そろばんずく』撮った奴。森田芳光っていうんだ。
そして悪いことに、こいつらが大好きな俺も同じ穴のムジナだってことだ。

中身は全然ないと言ったものの、強いて学ぶべき点を挙げるとすれば、男と女の立ち位置。
この映画の男どもは皆「中毒」にかかっている。iPod中毒、アル中、SEX中毒。中毒というのは、ある意味“現状”の深みにはまっているとも言える。ジムのボスだって、現状維持に努めようと行動するんだ。
一方、女性陣は皆“現状”から脱却しようと努めている。それも秘密裏に。
ジョージ・クルーニーの絵本作家の奥さんだって同じだ。
CIAより女どもの方が隠密行動が上手だ(笑)。

そして、「どこが面白いのか分かりにくい」と書いたものの、観ている時より、観終わって一杯飲みながら思い返した方が面白い。
ていうか、思い出し笑いの方がゲラゲラ笑える。

例えばさあ、ジョージ・クルーニーが奥さんのためなのか何なのか、あの大人のオモチャを作る意味も分からなければ、壊す意味も分からない。それをマクドーマンに「安く作ったんだぜ」って自慢する意味も分からなければ、「まあ、すごい」みたいなことを言うマクドーマンも意味が分からない。可笑しすぎ。
ジョージ・クルーニーで言えば、ティルダ・スウィントンの所に転がり込む時、出て行く時、何だか分からない大きな荷物持ってるでしょ。あれなに?マットレス?何でそれだけ大事そうに持って帰るわけ?そういう意味の分からなさも可笑しい。

そうそう、それとね、ジョージ・クルーニーが「お前なに者だー」ってマクドーマンから去るとこあるでしょ。あれ、マクドーマンにしてみたら質問に答えただけなんだけど、視点を変えると、刑事ドラマでよくある「真犯人しか知り得ない情報を耳打ちして落とす」シーンにも見えるんだ。
面白いんだけどなあ。

日本公開2009年4月24日(2008年 米)93分

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